- 会員限定
- 2024/08/06 掲載
【2024年版】金融データ活用組織になるには? 協会謹製「チェックシート」の使い方
データ活用の現在地を手軽にセルフチェック
金融業界は、他の業種・業態と比較して、DXやデータ活用が遅れていると評価される傾向にあります。この状況を解消し、金融業界自らが積極的なデータ活用に取り組むことができる状態を促進することがFDUAの設立の目的でもありました。また、そもそもデータ活用やDXが本当に遅れているのか、感覚値で終わっているのではないか、遅れているとしたら現在地はどの辺りなのか、遅れを取り戻すためには、どのような論点で検討や施策を推進すべきなのか、そのための手段やツールが存在しない状況でした。
そこで金融業界として必要とされる項目を必要最低限に絞り込みつつ、網羅性を担保し、設問も回答しやすい内容にしたチェックシートを策定することにしました。手軽かつ迅速に自社のデータ活用の現在地を確認でき、さらに今後の施策を検討できることが目的です。
また各社のチェック結果をFDUAにて集計することで、国内金融機関のデータ活用に係る進捗度と成熟度を可視化および情報発信していきます。これにより、現在地を認識し、弱点を明確化しつつ、克服するための対策を取ることができるようになる。結果的に、業界全体のレベルアップが促進されると考えました。
チェック項目は、利用データ、組織、ビジネス効果、データ基盤、人材育成、ガバナンスという6つのテーマで定義されています。このうち利用データ、組織、ビジネス効果は活用レベルに、データ基盤、人材育成、ガバナンスはインフラレベルと位置付けました。活用レベル、インフラレベルのそれぞれにおいて、自社の現在地を認識できるようにしています。
ポイント
- 各金融機関が自社のデータ活用レベルをセルフチェックし、今後の取り組むべき施策を検討できる。
- 国内金融機関のデータ活用進捗度を可視化し、業界全体のレベルアップを促進する。
本チェックは、1回チェックして終わりではなく、定期的に実施することに意味があります。「自己確認をくり返すことで、定期的に自社の立ち位置を明確化してほしい」という、作成者たちの意図が込められています。
対象とする業種は金融業界全般、すなわち銀行、信用金庫、証券、保険、信託銀行、カードリースなど、金融庁の管理監督下にある機関すべてが使えるものにしました。
どの業種でも膨大かつ構造化されたデータを持ち、慎重に情報を取り扱わなければならないという共通点があります。こういった金融機関に特有の状況を踏まえたチェックシートになるように検討したということです。
ただし、今回の初版では各金融機関の業種と業態に細分化はしていません。銀行と証券と保険では業務がかなり異なるのはもちろん、同じ銀行でも都市銀行と地方銀行ではまた大きく違います。
今回は初版ということで、共通でチェックできる内容にとどめ、業種による細分化は今後標準化委員会にて次版に向けて進める予定です。 【次ページ】金融データ活用組織チェックシートの使い方とは?
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR