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「こんなの使えない」と言われ…損保ジャパンのAIエージェント挑戦、失敗と改善の裏側
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「こんなの使えない」と言われ…損保ジャパンのAIエージェント挑戦、失敗と改善の裏側

年間40万件、1日53分──損保ジャパンの現場を圧迫していたのは、膨大な保険規定を調べ、回答を作る「問い合わせ対応」だった。既存の検索システムでは答えにたどり着けず、結局「詳しい人に聞く」悪循環が続く。この構造的な課題に、同社は生成AIで挑んだ。だが、最初のプロトタイプは「こんなの使えない」と酷評されてしまう。失敗を重ねながらも、その生成AIシステムは今や9000名が利用し、単なる「答える道具」から自ら考え動く「エージェント」へ進化しようとしている。裏側にあった困難とその乗り越え方について、同社の石川 隼輔氏が語る。

保険業界が抱える「問い合わせ」の実態

 国内損害保険市場でトップクラスのシェアを持つ損害保険ジャパン(以下、損保ジャパン)は、全国の代理店を通じて保険商品を販売する「代理店モデル」が中心だ。そのため、顧客からの質問はまず代理店に寄せられ、代理店で解決できないものが営業店、さらには本社へとエスカレーションされる構造になっている。

 「営業店の担当者は、代理店からの照会対応に1日53分もの時間を要しています」と具体的な数字を示したのは、同社のDX推進部 開発推進グループでグループリーダーを務める石川 隼輔氏だ。

「本社に至っては年間40万件もの問い合わせが寄せられており、この対応だけで膨大な人的リソースが消費されているのが現状です」(石川氏)

 問い合わせ内容は保険の契約条件、補償範囲、事故対応手順など多岐にわたる。回答するためには、膨大な保険規定集やハンドブック、過去のQ&Aデータベースを調べる必要があり、担当者には高度な専門知識と情報検索能力が求められる。

 これまでも、社内向けの検索システム「おしそん」(=教えて!SOMPO)は存在した。質問を入力すると、関連するQ&Aや保険の規定集/マニュアル類などがヒットする、いわば社内版のGoogleのようなシステムだ。

 しかし、この方式では「答え」そのものは提示されないため、結局は担当者が資料を読み込んで回答を作成しなければならない。そのため、調べるより直接詳しい人に聞いてしまおうというケースが後を絶たず、問い合わせ対応の負荷は一向に減らなかった。

 この根深い課題を解決するために開発されたのが、生成AI技術を組み込んだ「おしそんLLM」だ。

この記事の続き >>

  • ・失敗と改善の連続…プロトタイプが不評だったワケ

    ・生成AI活用で回答ドラフトを自動生成、「8割完成」が業務を変える

    ・エージェント化で「考える担当者」から「考える課長」へ進化

    ・足りない情報を自ら補完、PDCAを回すAIエージェントの実力

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