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  • 2024/01/15 掲載

最近のコンセプトカーあるある「顔にモニター」は何のため?答えに潜む「車の未来」

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「自動運転は危険」という意識はまだまだ根強い。だがデータ上では、自動運転は人が運転する場合に比べて事故件数が少ない。自動運転が今後発展するためには、人の意識そのものを変える必要があるが、その時にカギとなるのが車体のビジュアルだ。自動運転とビジュアルの密接な関係には、これからの車の在り方が隠れている。

執筆:米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子

執筆:米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子

米国在住のジャーナリスト。同志社大学卒、ボストン大学コミュニケーション学科修士課程修了。テレビ番組制作を経て1990年代からさまざまな雑誌に寄稿。得意分野は自動車関連だが、米国の社会、経済、政治、文化、スポーツ芸能など幅広くカバー。フランス在住経験があり、欧州の社会、生活にも明るい。カーマニアで、大型バイクの免許も保有。愛車は1973年モデルのBMW2002。

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CES 2024でホンダが発表した「Honda 0シリーズ」のコンセプトモデル「SPACE-HUB」。昨今、車体正面にモニターが設置されるコンセプトカーが増えている理由とは
(写真:ロイター/アフロ)

最近よく見かける「車外のモニター」は何のため?

 12日に幕を閉じた世界最大のテクノロジー見本市「CES」で発表された各社の車両に限らずだが、このところ各メーカーのコンセプトカー発表で目立つのが、車体にLEDなどのモニターを設置したモデルだ。

 代表的なのがソニー・ホンダモビリティの「AFEELA」だろう。そのほかにもメルセデスベンツ、プジョーなど、車外のモニターを設置するモデルは多い。

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ジャパンモビリティショー2023で展示されたソニー・ホンダモビリティのAFEELA。車体正面に「Welcome」というメッセージを掲載した車外モニター「メディアバー」が設置されている
(写真:筆者撮影)

CES 2024で発表されたAFEELAの新プロトタイプ。「メディアバー」は引き継がれている

 車内ならばモニターによって搭乗者が情報を得るなどの使用法が考えられるが、なぜ車外に他者から見られることを前提としたモニターが必要なのか。

 車名をアピールする、エンブレム代わりになるなどの用途も考えられなくはないが、やはりメインとなる目的は、自動運転が導入された際に歩行者や他の車などに告知することではないだろうか。

公道で実証実験進む米国での「自動運転」事故の現実

 自動運転は中国や米国では公道での試験的運用が進んでいるが、米国では2023年GM傘下のクルーズが起こした人身事故により、一時的にクルーズのドライバーレス車両によるタクシー運営が停止になるなど、完全自動運転に疑問を投げかける事態が起きた。

 米NHTSA(米高速交通安全委員会)によると、2022年の1年間で自動運転や高度運転支援技術(ADAS)を使用中の車両が起こした交通事故件数はおよそ400件で、最も多かったのがオートパイロットなどのADAS機能を備えたテスラ車だった(2位がホンダ、3位はスバル)。

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2022年に米国で起きたADAS搭載車両の交通事故およそ400件の車両別内訳
(データ出典:NHTSA)

 このうち完全自動運転車両が起こした事故は130件で、ウェイモ、トランスデブ、オルタネート、クルーズなどの名前が挙がっている。2023年は9月末の時点でカリフォルニア州内だけで100件以上の事故が報告されている。

 しかし走行距離と事故件数を比較すると、ドライバーレス自動運転車両による事故は走行距離100万マイルあたり9.1件で、有人車両が普通に引き起こす事故と比較するとかなり低い数字であることは確かだ。 【次ページ】「交通事故の94%は人的ミス」それでも75%が自動運転導入反対

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