• 2026/07/03 掲載

資材高騰で悲鳴の建設現場…“契約どおり”のままで大丈夫? 勧告・公表リスクも…(2/2)

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「相談したい」が言えない…下請けを苦しめる“空気”

 建設業界ではこれまで、長年の取引関係や「次の仕事への影響」を考え、下請け側が協議自体を言い出しにくい場面も少なくありませんでした。

 資材価格が上がっても、その増加分をすぐに請負代金へ反映できるとは限りません。工事を継続するために、下請事業者が自社で負担しているケースもあります。

 しかし、資材価格の上昇や資材不足による工程変更の負担が、下請事業者へ一方的に集中してしまえば、現場全体の持続可能性は損なわれます。

 特に現在のように、資材不足や工期変動が現場経営へ直接影響する時代においては、元請け・下請け双方が現場実態を共有することが欠かせません。

 価格だけでなく、工期、請負代金、施工条件などについて適切に協議を行うことが、工事全体を安定的に進める上でも重要になっているのではないでしょうか。

コスト削減のツケは、結局「人」と「安全」に来るワケ

 資材価格の高騰や供給不安が続く中、十分な価格転嫁ができない場合、そのしわ寄せは最終的に「人」や「安全」に向かいやすくなります。

 建設工事では、材料費そのものを大きく削減することは容易ではありません。そのため、利益を確保しようとした際、調整対象となりやすいのが人件費や安全関連費用です。

 たとえば、職人単価の抑制、必要人員の削減、教育時間の縮小、安全設備や安全管理費用の見直しなどが起こり得ます。

 しかし、建設業は人によって成り立つ産業です。特に近年は、技能者不足や高齢化が深刻化しており、若手人材の確保・定着は大きな課題となっています。そのような状況で、適正な賃金や安全環境を維持できなくなれば、さらに担い手不足が進行する可能性があります。

 また、過度なコスト圧縮は、長時間労働や無理な工程管理につながる恐れもあります。工期遅延への対応や利益確保を優先するあまり、現場へ過度な負担がかかれば、労働災害リスクの増加にもつながりかねません。

 さらに、中には社会保険未加入や偽装1人親方化など、法令順守の面で問題を抱えるケースへ発展するリスクもあります。こうした問題は、単に一企業だけの問題ではありません。建設業界全体の信頼性や持続可能性にも関わるものです。

価格より安全を守る時代へ、今日から変えられること

 資材不足や価格高騰が続く今、建設現場では「材料費が上がった」というだけでは説明できない負担が生じています。

 資材が予定どおり確保できなければ、工期延長や工程変更が発生します。その結果、現場維持管理費、仮設費用、人員調整コストなどの負担も増えていきます。さらに、工期が長引く間に資材価格や労務単価が上昇すれば、現場負担はより複合的になります。

 その一方で、これらの負担を下請事業者が一方的に抱え込めば、人件費や安全関連費用にしわ寄せが向かう恐れがあります。技能者不足や高齢化が進む建設業界において、適正な賃金や安全環境を維持できなくなることは、将来の担い手確保にも影響します。

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資材不足や工期延長などによる負担を現場に押し付け続ければ、人材確保や安全管理にも影響が及ぶ。持続可能な現場運営には、価格だけでなく施工条件全体を踏まえた協議が欠かせない
(画像:本文をもとに生成AIで作成)

 だからこそ現在求められているのは、「安く施工すること」だけではありません。適正な価格のもとで、安全・品質・人材を維持できる環境をどのように構築していくか。そのためにも、元請け・下請け双方が現場実態を共有し、工期・請負代金・施工条件について適切に協議を行うことが、今後ますます重要になると思われます。

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