- 2026/08/04 07:10 掲載
【9月施行】行政AIの調達ルールが一新…デジ庁が改定、事業者を評価するチェック項目
元毎日新聞記者。長野支局で政治、司法、遊軍を担当、東京本社で政治部総理官邸番を担当。金融専門誌の当局取材担当を経て独立。株式会社ブルーベル代表。東京大院(比較文学比較文化研究室)修了。自称「霞が関文学評論家」
【9月施行】「行政AI調達ガイドライン」とは?何が変わる?
政府が今回改定に踏み切った「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン」とは、生成AIの利活用促進とリスク管理を表裏一体で進める目的で、政府における生成AIのガバナンス、各府省庁における調達・利活用時のルールを定めたガイドラインです。基本的には、役所向けに共通ルールなどを示す「デジタル社会推進標準ガイドライン群」の1つという位置づけですが、後で詳しく見ていくように、サービスを提供する民間事業者にとっても重要なポイントがちりばめられています。また、地方公共団体においても必要に応じ、参考資料として利用されることが期待されています。
改定のポイントの1つは、ガイドラインの「対象範囲の拡大」です。
従来、ガイドラインの直接的な対象となるシステムは、「大規模言語モデル(LLM)を構成要素とするテキスト生成AI」に限定されていました。
今回の改定ではマルチモーダル化など技術進展を踏まえ、入力としてテキストと音声、出力としてテキスト、画像、音声を扱うことが可能な生成AIを構成要素とする政府情報システム全般にまで広げられました(ただし、特定秘密や重要経済安保情報を扱うシステム、安全保障や公共の安全・秩序の維持に関わる機微なシステムは本ガイドラインの適用対象外)。
AIの「高リスク」判定基準とは? 一律判定をやめた理由
今回の改定のもう1つのポイントは、高リスク判定基準の「合理化」です。従来の判定ロジックでは、要機密情報や個人情報を取り扱うシステムについて、原則として一律的に「高リスク」として分類していました。しかし、行政システムを利用する場面で個人情報や機密情報をまったく扱わないケースはむしろ限定的で、この規定がAIの導入・活用を躊躇させる足かせになっていました。
そこで今回の改定では活用推進とリスク管理のバランスを取るため、アクセス制御や学習データとして利用させない契約・技術設定など、適切なセキュリティ対策を講じることを前提として、一律的な判定ロジックを廃止。
その上で、リスク評価については、「適用業務」「利用範囲」「職員等による出力結果の判断」という3つのリスク軸からなる「高リスク判定シート」を踏まえ、総合的に判断することが求められています。 【次ページ】行政も事業者も要確認、新チェックシート4つの要点
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