- 2025/12/12 掲載
【今日から】完全施行「改正建設業法」を徹底解説、「安すぎる契約」はもう許されない
社会保険労務士・行政書士浜田佳孝事務所代表。Hamar合同会社代表社員。法学部出身でありながら、市役所の先輩や土木施工管理技士である父親の影響を受け、土木技術の凄さに興味を持ち、研鑽を積む。そして、市役所勤務時代には公共工事の監督員として、道路築造工事や造成工事などの設計・施工を担当した実績を持つ。
現在は、「建設業の現場を経験した」社会保険労務士・行政書士として、建設業の労務管理・建設業許可・入札関係業務を主軸に、建設業の働き方改革・安全衛生コンサルティングを始めとした「現場支援」業務を行ってる。また、商工会主催の「建設業の働き方改革セミナー」を開催し、働き方改革に関する多くの相談を建設業者などから受けている。
著書に 最新労働基準法対応版 建設業働き方改革即効対策マニュアルがある。そのほか、中小企業の建設業の経営者に向けた YouTubeチャンネルを開設し、建設業界に関係する最新の知識やお役立ち情報などを日々発信している。
限界を迎えた「建設業界の深刻な現状」
建設業界は、慢性的な人手不足と処遇改善の遅れという、長年の課題に直面しています。こうした状況の中で、今回の建設業法改正は、見積り段階で削られがちだった労務費を守り、必要な人件費を「削れない仕組み」として制度化する方向に踏み込みました。
中でも注目されるのは、「不当に低い請負代金の禁止」「労務費の基準」制度の導入の2つです。これらは技能者の賃金水準を適正化し、これまで続いてきた「価格の安さだけで選ばれる取引」から、「必要な品質・安全管理が維持できる価格帯での契約」を基本にする方向へと業界全体で転換させることを目指しています。
加えて、工期の適正化やCCUS(建設キャリアアップシステム)との連動により、持続可能な働き方と技能の見える化がようやく推進されようとしています。
さらに今回の法改正では、現場技術者の専任義務が緩和された点も非常に大きいテーマです。人手不足が深刻な中小企業にとっては、働き方と現場管理の両立を可能にする“現実的な改革”ともいえるでしょう。
本稿では、こうした法改正の背景と要点を整理し、「結局何が変わり、企業はどう動くべきなのか」を読み解いていきます。 【次ページ】改正の目的:安すぎる契約「もう黙認しない」
法規制・レギュレーションのおすすめコンテンツ
PR
PR
PR