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- 2023/07/05 掲載
GameFi(ゲーミファイ)とは何か?NFTゲームとの根本的な違いとその画期性
「アクシーインフィニティ」は何が画期的だったのか?
GameFiという言葉が生まれるもととなったのは、ベトナムの「スカイメイヴィス(Sky Mavis)」という無名のスタートアップがリリースしたゲーム「アクシーインフィニティ(Axie Infinity)」です。
ゲーム自体の内容は、仮想通貨のイーサリアムで「アクシー(Axie)」というキャラクターのNFTを3体購入し、ゲーム内の敵や他のアクシーと戦って勝ったら報酬を得られる、というもの。非常にシンプルですが、ここにゲームが独自に発行するトークンがかかわっている点が画期的なのです。
アクシーインフィニティには、ユーティリティトークンのSLPと、ガバナンストークンのAXSがあります。SLPは主にゲームの報酬の支払いに使われ、「アドベンチャー」でプレイヤーはゲーム内の敵との戦い(PvE:プレイヤー対エネミー)に勝つことで得たSLPを使って、自分のアクシーを強くします。
「アリーナ」で他プレイヤーとの戦い(PvP:プレイヤーVSプレイヤー)に勝ち、さらに報酬を得るには、自分のアクシーが強くなる必要があるからです。ここで行われるのが「ブリード(繁殖)」=アクシー同士を掛け合わせることです。この際に、一定額のSLPやAXSが必要になります。こうして強化されたアクシーは、マーケットプレイスで売ることもできます。なお、アクシー1体につき7回までしかブリードできません。
AXSには、ガバナンストークン本来の機能もあります。AXSホルダーは、保有AXSをアクシーインフィニティの金庫に預けることで、報酬を受け取ったり、運営の意思決定に参加するための投票権を得たりできます。
そんなアクシーインフィニティの2021年10月のDAU(デイリーアクティブユーザー)は200万人。わずか3カ月ほどで1億1,420万ドルという驚異的な売上を記録しました。
Play to Earn─「プレイして稼ぐ」の本当の意味
すでに述べたとおり、アクシーインフィニティは、NFTゲームに独自トークンを絡ませた点が画期的であり、それがNFTゲームとは根本的に違うGameFiにつながりました。そのポイントは次の2点です。まず、プレイヤーがNFTを使って遊びながらインカムゲインを得る「Play to Earn(プレイして稼ぐ)」の仕組みをつくったこと。
NFTゲームのクリプトキティーズでも遊びながら利益を得られますが、それはブリードで生まれた子猫の取引で得るキャピタルゲインです。
一方、アクシーインフィニティでは、ゲームで勝って得た利益を投じてブリードしたアクシーが、さらに戦いに勝つことで、また利益を生むというサイクルが続く構造です。アクシーという保有資産(NFT)をマネジメントすることで利益を上げ続けるわけですから、これはインカムゲイン的な運用益といえます。 【次ページ】ポイント2点目 GameFiのすごさは○○にある
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