- 2025/05/19 掲載
本には書かれていない「ChatGPTの使い方」、人間の考えを「180度変える」秘めた可能性
連載:野口悠紀雄のデジタルイノベーションの本質
【具体例】ChatGPTとの「対話の始め方」
ChatGPTとの会話を通じて文章を書いていく場合の具体的な方法を、以下に述べよう。まず、書きたいと思う文章の中心的な部分を、400字程度にまとめる。そして、ChatGPTに次のように聞く。「この文章に対してコメントしてください」あるいは「次の文章に事実の誤りや考え方の誤りがあれば、指摘してください」。
これによってChatGPTとの対話が始まる。ChatGPTの指摘の中で、納得できない点があったら反論する。理解できない箇所があれば、その説明を求める。今まで知らなかった概念が出てきた場合には、その説明を求める。
自分の意見と合致する部分については、それをもっと詳しく述べて欲しいと要請する。
「何々について教えてください」から始めるのがダメな理由
ChatGPTとの対話を生産的なものにするためには、「何々について教えてください」とか、「何々についての意見を聞かせてください」という始め方ではダメである。なぜか?ChatGPTは世界中の利用者を相手にしている。それらの中の1人が問いかけてきたとき、その人が何を求め、どのような能力があるかなどについて、ChatGPTは最初、まったく何も知らない。
だから、その人に合った的確な答えをしようとしても、無理な話だ。質問者が求めている内容にあった答えをするためには、質問者がどういう人間で何を求めているかについて、ChatGPTの側で理解することが必要なのである。
ここで述べているプロセスでは、それを最初の概要によって伝えている。つまり、前述したプロセスは、私とChatGPTが対話する共通の基盤を設定するためのものだ。 【次ページ】ChatGPTに「自分の考え」を示すべき「2つの理由」
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR