• 2026/03/21 掲載

Mastercardが決済データ処理に特化した独自の生成AIモデル「LTM」を発表

数十億件の取引データを学習、不正検知の精度向上を図る

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米Mastercardは、決済記録などの構造化データ処理に特化した独自の生成AI基盤モデル「Large Tabular Model(LTM)」を発表した。数十億件の匿名化された取引データを学習し、不正検知の精度向上や決済承認の高速化を図る。同モデルはNvidiaおよびDatabricksの技術協力を得て開発されており、消費者向けの対話型AIではなく、金融インフラのバックエンドとして機能する。
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(画像:ビジネス+IT)
 米Mastercardが新たに開発した「Large Tabular Model(LTM)」は、決済ネットワーク上のデータを処理する目的で構築された生成AIモデルである。テキストや画像といった非構造化データを学習する一般的な大規模言語モデル(LLM)とは異なり、LTMは表形式に整理された高度に構造化されたデータセットを専用に処理するアーキテクチャを採用している。開発には米Nvidiaと米Databricksの技術が活用されている。
 
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【図版付き記事はこちら】MasterCardが決済に特化したAIモデル「LTM」発表(図版:ビジネス+IT)

   LTMは数十億件に上る匿名化されたトランザクション(取引)記録から消費者の購買パターンや取引関係を直接学習する。Mastercardは今後、この学習データを数千億件規模の支払い記録へと拡張する計画を進めている。このAI基盤モデルは一般ユーザー向けのチャットボットとして提供されるものではなく、世界の決済ネットワークの根幹を支えるバックエンドのインフラツールとして運用される。

 導入の主たる目的は、金融犯罪の巧妙化に対応するための不正検知システムの強化である。LTMを活用することで、従来ルールの限界を超えた高精度なリスク評価が可能となり、取引の承認プロセスが高速化される。サイバーディフェンスの強化に加え、ロイヤルティプログラムの最適化、顧客インサイトの分析、小規模事業者向けサービスの拡充など、コマース全般のインフラ向上にも利用される。

 長年、金融機関はルールベースのシステムや初期の機械学習モデルを用いて与信判断や不正検知を行ってきたが、消費者行動の多様化により既存システムの精度維持が課題となっていた。Mastercardは過去2年間にわたり、生成AIをサイバー防衛に組み込む取り組みを進めてきた。LTMの開発はその戦略をさらに進めるものであり、生成AIの適用範囲を金融の構造化データへと拡張した。人工知能の活用領域が汎用的な言語処理から特定の産業データに特化したモデルへと移行するなか、LTMは決済分野における特化型AIの実装例となる。不正取引の検知に要する時間を短縮し、誤検知による正規取引のブロックを減らすことで、最終的な消費者の利便性向上に直結する。

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