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- 2023/06/13 掲載
iPodの仕掛人・前刀氏が語る「アップル最強」秘話、次に仕掛ける生成AI事業も大予測
Seizo Trend創刊記念インタビュー
前編はこちら(この記事は後編です)
アップルの強みで考える「次に仕掛ける事業」とは?
ソニーがホンダとEVの合弁会社を設立して、第一弾を2025年から発売するようです。ソニーはユーザーインターフェース(UI)の部分を押さえたいと考えていると思いますが、この領域で一番親和性が高いのはアップルのiOS(CarPlay)でしょう。ソニーとホンダの車がiOSを採用するかは分かりません。むしろ、Xperiaの延長で、Androidを採用するかもしれませんし、独自の車載OSを採用する可能性もあるでしょう。いずれにせよ、ソニーはUIを押さえることで、デジタルライフスタイルの延長にモビリティ(移動)があるような世界にしたいのではないかと思います。
一方、最近ではAIやロボットなどの自動化技術が進んでいます。AIも、一昔前の予測系のAIではなく、AIによって何かを生成する領域に発展してきました。これとロボットを連携できれば、ものづくりは人がいなくてもできるようになるでしょう。
現在は対話型の生成AIが話題になっていますが、その部分で究極のエージェントというのは、私はワイヤレスのマイク付きイヤホンである「AirPods」だと考えています。アップルの強みというのは、人との接点、インターフェースを握っている点です。
その強みを生かして、たとえばAirPodsを装着して、「日本の製造業についてどう考える?」と聞くと、AirPodsが音声で答えを示してくれる、あるいはAppleWatchと絡めてさまざまな情報をナビゲートしてくれる、というのがアップル版のAIチャットボットの形ではないかと思います。個人的にはアップルはここに着手するのでは、と思っています。
ですが私は、これらのウェアラブル端末はもう一段、技術の進化があると考えています。
ウェアラブル端末の理想は「スーツの無いアイアンマン」
私はVRゴーグルのような形でデバイスを装着する未来は、最終的には訪れないと思っています。余計なデバイスを装着するのではなく、ICチップを埋め込むインプラント型のような方向になるのではないでしょうか。以前、Mojo VisionはARコンタクトレンズ(スマートコンタクトレンズ)の開発を進めていましたが、資金難でストップしてしまいました。私は可能性を感じていたので、残念です。
メガネやゴーグルももちろん良いと思いますが、究極的には「アイアンマンがあのスーツを着ないでアイアンマンになる」というのが理想的な姿だと思います。だらからこそインプラント型のような方向に進むと考えています。
人が創造できるものは確実に現実化されています。実用化されていないだけで、もうできているものも多いかもしれませんね。 【次ページ】“創造力”習得に必須の「3つのこと」
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