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  • 2025/06/09 掲載

「トヨタ・ホンダ・日産」勝者と敗者を分けた決算、EVブームの陰で何が起きているのか

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トヨタ、ホンダ、日産など国内自動車メーカーの2024年度決算が出そろった。トヨタとホンダがそれぞれ最高水準の営業収益を記録する一方、日産は7工場閉鎖と2万人規模のリストラという深刻な危機に直面している。そして今期はトランプ関税が発動され、利益への影響は各社ともに大きく、EVも中国勢が安さで攻勢をかけており、国内勢を取り巻く環境は厳しい。各社の戦略の明暗はいかに。
執筆:山口伸

山口伸

経済、不動産分野のライター。小売・飲食を中心とした企業分析記事や、都市開発、不動産市況に関する記事を手がける。理系の会社員だったが、ライター業に専念するため独立した。趣味で簿記・ファイナンシャルプランナーの資格を取得する。

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中国メーカーの台頭にトランプ関税、不透明な要素が多い自動車業界行方は…?
(Photo:Jonathan Weiss / Shutterstock)

トヨタは営業収益過去最高を更新


1ページ目を1分でまとめた動画
 トヨタ自動車の2025年3月期連結決算は営業収益48兆367億円(前年比6.5%増)と過去最高を更新した。営業利益に関しては、4兆7,956億円(同10.4%減)と減益となり、増収増益とはならなかったが、2兆円台を推移していた18年3月期から23年3月期の約2倍の水準だ。営業収益について、21年3月期はコロナ禍の影響で前年比2兆円超の減収となり27.2兆円となったが、その後は販売台数の増加と円安で収益が著しく伸びた。ドル円相場は21年に1ドル110円台を推移、その後は円安が進行し、24年7月には一時160円を突破した。

画像
HEV車販売台数は前年度比120%を超える勢いだ
(出典:決算資料を基に筆者作成)

 販売台数は上表の通り伸び続け、24年3月期に初の1000万台を超えた。国内、米国も台数を維持。EV化が急速に進む中国でも、カローラやRAV4などの新型車が好調で、他社よりは減収幅が小さい。この間、急激に販売台数を伸ばしたのがHEV車である。世界販売は21年3月期に200万台を超え、25年3月期には432万台となった。

 近年ではEVがブームとなったが、航続距離の短さや長い充電時間、充電設備の不足が改めて認識され、中国以外では人気が下火になりつつある。米国では高価なテスラ車に手が届かない層がガソリン車からHEVに切り替えた。トヨタ唯一のネックはEV販売の遅れだ。21年3月期から本格的に販売し、25年3月期は14万台しか売れていない。中国勢が安いEVで海外展開を強化すれば、ガソリン車やHEVも淘汰される可能性がある。 【次ページ】ホンダは売上収益20兆円、営業利益1兆円台をキープ。利益の源泉は…?
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