山口 伸
経済、不動産分野のライター。小売・飲食を中心とした企業分析記事や、都市開発、不動産市況に関する記事を手がける。理系の会社員だったが、ライター業に専念するため独立した。趣味で簿記・ファイナンシャルプランナーの資格を取得する。
2025年7月に沖縄県北部で開業した「ジャングリア沖縄」の来場者数が2026年1月末までの累計で約65万人となった。1日平均で3500人程度。年間では110万人の見込みで、目標としていた「沖縄美ら海水族館の半分程度(150万人)」を下回る見込みだ。65万人のうち10万人はスパのみの利用であり、入場料の売上だけを単純計算すると半年間で収入は約37億円しかない。運営元のジャパンエンターテイメントは開業前の2025年6月期末時点で約86億円の累計赤字を計上しており、運営後の黒字化が急務である。もっとも、国内の子供の数は1982年をピークに減少しており、テーマパークは斜陽産業だが、近年好調なテーマパークは”ある共通点”を有している。しかしジャングリアにはその共通点が見られず……。
不動産価格の高騰がうたわれて久しい。大都市を中心に住宅価格は高騰し、都内では中古マンションさえ平均価格が1億円を超えた。新築マンションを5,000万円台で購入するには、都心から1時間程度離れる必要がある。賃貸の価格も上昇し、23区ではファミリー向けの物件を15万円以下で探すのが難しくなっている。そんな中、「狭小物件」ビジネスが活況を呈している。「古い戸建ての跡地に新築が2軒建つ」「2軒建ちそうな場所に3軒建った」と言われるように、都心部に狭い戸建て住宅が増えている。賃貸物件ではわずか3畳で「浴槽レス」のワンルームが若者に人気だ。なぜ極端なまでに狭い空間が支持されているのか。そこには単なる“節約”だけではない買い手と売り手の間にある現代特有の“利害の一致”があった。