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- 2026/03/09 掲載
なぜ炎上→謝罪…JALは何を読み違えた?「マイル修行」沖縄に殺到で露呈した大誤算
連載:北島幸司の航空業界トレンド
航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅に関する記事や連載コラムを執筆する航空ジャーナリスト。世界の航空の現場を取材し、内容をわかりやすく解説する。テレビ、ラジオの出演経験もあり、航空関係の講演を随時行っている。ブログ「Avian Wing」の他、エアラインなど取材対象の正式な許可を得たYouTube チャンネル「そらオヤジ組」も更新中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。
「マイルステータス制度」の変更が招いた“副作用”
問題の背景には、JALが2024年1月に導入したステータスプログラム「JAL Life Status プログラム」がある。生涯搭乗実績が重視される仕組みに移行したことで、国内線の短距離で搭乗回数を稼げる路線に需要が集中した。特に2025年11月18日から期間限定で実施された「ダブルLSP(ライフステータスポイント)キャンペーン」が、この傾向に拍車をかけた。JALの広報は取材に対し、「マイレージプログラムのステータス達成のために搭乗されている需要が一定程度存在することは認識している」と回答した。しかし、具体的な搭乗目的の把握は困難であるとし、制度設計時のリスク見積もりについては明快な回答を避けている。結果として、公共交通機関としての利便性が、一部の愛好家による「ポイント稼ぎ」によって損なわれるという、制度の負の側面が露呈した形だ。
ここで強調しておきたいのは、JALグループが提示したキャンペーンにのっとり、正当な運賃を支払って搭乗するマイラー自身に法的な非はないという点だ。しかし、航空輸送が公共交通機関である以上、そこには一定の倫理性が求められる。
たとえば、JALマイラーの中で効率的とされる行程は次の通りとなる。
那覇⇒宮古⇒多良間⇒宮古⇒石垣⇒与那国⇒石垣⇒宮古⇒多良間⇒宮古⇒石垣⇒宮古⇒那覇の12便の搭乗が1日で可能となり、多良間⇔宮古線の1日の便数である2往復4便を占有することになる。これを那覇に滞在して複数日連続で行うといった極端な利用形態は、地元住民らの生活路線のキャパシティーを著しく圧迫する。
JALが謝罪、島民の「移動権」を脅かす現状に示した対応策
対応策についてJALは、「当該路線に対する2月3日以降の新規予約分をキャンペーン対象外とする」「予約済み客への払い戻し協力の要請」「臨時便の設定」などを挙げている。JALは「ご予約をお持ちのお客さまへの、取り消しのご協力のお願い状況については、多数のお客さまよりキャンセルのお申し出をいただいております」という。しかし、これらはあくまで事後的な火消しにすぎない。
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