- 2026/06/22 掲載
【神ワザ5選】スマホ×画像AIが「最強の同僚」に…現場の「ベテラン依存」が終わる日
連載:製造業に役立つ生成AI活用術
IKIGAI lab.オーナー / 某大手メーカー AIスペシャリスト
大手メーカーのグループ横断で生成AI教育を実施。営業職や製造業、自治体業務など幅広い組織にて、教育コンテンツを作成し社内の生成AI人材育成に携わる。社外では生成AIコミュニティ「IKIGAI lab.」のオーナーを務め、NewsPicksやインプレス、ビジネス+ITなど7社にて記事を執筆および監修。企業登壇も多数。YouTube「ジェネトピ」でもゆるっと生成AI活用を発信中。
生成AI最前線「IKIGAI lab.」:https://newspicks.com/topics/ikigai-meets-ai
ジェネトピ:https://youtube.com/@genai-topic
最強タッグ「画像認識AI×画像生成AI」
■画像認識AIスマホで撮った写真をAIに見せると、写真の中に何が写っているか、何が書かれているかを読み取り、テキストや表として出力してくれます。人間が目で見て理解するのと同じことを、AIが代わりにやってくれるイメージです。
- 得意なこと:文字の読み取り、写真の状況説明、複数画像の比較、特定箇所の指摘など
- 製造現場での活用例:ホワイトボードの板書→議事録、現場写真→KY(危険予知)リスト、設備写真→点検メモ、作業写真→手順書下書きなど
■画像生成AI
「こういう絵を作って」とテキストで指示を出すと、AIがその内容に合ったイラストや図解を生成してくれます。デザインソフトもデザインスキルも不要で、現場担当者が直接ビジュアルを作れます。
- 得意なこと:イラスト生成、NG/OK比較図、工程図解、ポスターのベース作成など
- 製造現場での活用例:安全ポスターのイラスト、手順書の工程図解、研修資料のビジュアルなど
画像認識と画像生成は、単独でも使えますが組み合わせると1枚の写真から「資料」まで一気に仕上がります。
どちらの機能も「AIが人に代わって判断する」のではなく、「人が考えやすくなる素材を整理する補助役」として使います。最終的な判断・確認は必ず人が行いましょう。
【ホワイトボードの板書を議事録に】30分超→30秒に超時短
ホワイトボードをスマホで撮って、席に戻ってからPCで文字起こしして、議事録をメールで共有。気づけば30分以上かかっている。しかも「誰が何をいつまでにやるか」を改めて確認するためだけに、もう一度メッセージを送ることも…。会議が終わった後、こんな流れになっていませんか?
生成AIを使うと、その一連の作業が写真1枚、30秒で終わります。ホワイトボードを消す前にスマホで1枚撮る。それをAIに送るだけで、決定事項・TODO・担当者・期限が表形式で整理されて返ってきます。会議が終わったその場でチャットに貼れば、議事録の共有まで完了します。「書き写す時間」も「議事録を待つ時間」も、短縮されます。
添付する写真の例とプロンプト、その出力結果を以下に記載したので参考にしてください。
■AIに添付する写真
■プロンプト
# 役割■出力結果
あなたは製造現場の会議を記録・整理する専門のアシスタントです。
# 作業内容
添付した写真はホワイトボードに書かれた会議の記録です。
以下の手順で議事録を作成してください。
## Step1:まず写真に書かれているすべての文字・図・矢印・記号を
見えたままリストアップしてください。
## Step2:Step1の内容をもとに、以下の形式で整理してください。
---
## 会議議事録
### 決定事項
| # | 内容 | 担当者 | 期限 |
|---|------|--------|------|
| 1 | | | |
### TODO・アクションアイテム
| # | 作業内容 | 担当者 | 期限 |
|---|----------|--------|------|
| 1 | | | |
### 次回確認事項
-
### 補足メモ(図・矢印など文章化しにくかった情報)
-
---
# 出力ルール
・出力は日本語で
・読み取れない文字は「[判読不明]」と記載する
・担当者名や期限が書かれていない場合は「[記載なし]」とする
・推測で補わず、写真に書かれている内容だけを使うこと
【KY活動】写真から「現場の危険」を深掘り
KY活動では、毎回同じメンバーが同じ個所しか指摘していませんか?ベテランが「ここは慣れてるから大丈夫」と流してしまう個所、若手が「指摘していいのかな」と遠慮して黙っている個所。そういった“見えていない危険”が積み重なって、ヒヤリハットにつながります。
この事例では、現場の写真を1枚AIに送るだけで、チームが見落としがちな危険個所をAIが5件以上リストアップしてくれます。リスクレベル(高/中/低)と優先対策まで出してくるので、朝礼のKY活動にそのまま使えます。
AIが出したリストを「今日の議論のたたき台」として使うのがポイントです。「これはうちの現場で当てはまるか?」とチームで話し合うことで、毎回新鮮な視点から危険を洗い出せます。専門家を呼ばなくても、第3者の目線が手に入ります。
添付する写真の例、プロンプト、出力結果は以下です。
■AIに添付する写真
■プロンプト
# 役割■出力結果
あなたは製造業の労働安全衛生の専門家です。
KY(危険予知)活動の指導経験が豊富で、現場の「見えにくいリスク」を
見つけることを得意としています。
# 作業内容
添付した写真は製造現場の作業エリアです。
【この現場で行われている作業】
○○作業 ※実際の作業名に書き換えてください
KY活動のたたき台として、以下の順序で出力してください。
## 1. 危険箇所の洗い出し(数は多いほど良い。見えにくいものほど価値がある)
写真内で気になる箇所をすべてリストアップする。
## 2. リスク評価表
| 箇所 | 危険の内容 | 起こりうる災害 | リスクレベル(高/中/低)|
|------|-----------|----------------|------------------------|
## 3. 優先対策(リスクレベル「高」の箇所のみ)
- 即時対応:今すぐできること
- 恒久対策:設備・ルール面での改善案
# 出力ルール
・出力は日本語で
・この出力はあくまで「チーム議論のたたき台」です
・AIが見落とした危険箇所がある可能性を必ず最後に一言添えること
・最終的な安全判断は現場責任者が行うことを明記すること
さらにこの出力結果に対して、画像生成AIを使うことで、元の写真に危険個所を書き込んでもらうことも可能です。それが以下の画像です。
【安全ポスター作成】数週間→3分&数万円→ほぼタダ
安全ポスターを新しく作りたいのに、外注すると数万円で、納期は2~3週間かかる。市販品だと、現場の実態と合わない。結局、「以前のものをそのまま貼り続けている…」。そんな状況になっていませんか?この事例では、テキストで指示を打ち込むだけで、現場に合ったオリジナルのポスターイラストが約3分で完成します。「NG/OK比較」「工程ごとのイラスト」「研修資料の図解」など、デザインスキルゼロで作れます。外注費も発注のやり取りも不要。「このポスター、うちの現場に合わせて変えたい」がその日のうちに実現します。
■プロンプト
あなたは製造現場の安全教育ポスターを専門とするデザイナーです。■出力結果
以下のテーマと対象に合った安全ポスターの構成を考えて、16:9でポスターを生成してください。
ポスター構成は自分で考えて!
【テーマ】○○ ← ここだけ書き換えてください(例:熱中症予防、転倒防止)
【対象】○○ ← ここだけ書き換えてください(例:製造ラインの作業者)
【言語】日本語 ← 変えたい場合は書き換えてください(例:英語・中国語)
以下の形式で構成案を出力してください:
________________________________________
ポスター構成案
タイトル(大見出し):
サブタイトル(注意すべき数値や状況など):
メインパネル(3つ):
パネル1
● 小見出し:
● イラストの内容(作業者の動作・表情・場面を具体的に):
● 説明文(20文字以内):
パネル2
● 小見出し:
● イラストの内容(作業者の動作・表情・場面を具体的に):
● 説明文(20文字以内):
パネル3
● 小見出し:
● イラストの内容(作業者の動作・表情・場面を具体的に):
● 説明文(20文字以内):
チェックリスト見出し:
チェック項目(5つ):
□
□
□
□
□
________________________________________
【次ページ】【事例4】点検記録、若手でも設備点検「属人化を一気に解消」
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