- 2026/08/12 11:15 掲載
核融合商用化へ前進──京都フュージョニアリング、米国に世界初ブランケット実証施設
一方、増殖ブランケットや燃料サイクルは技術成熟度が十分ではなく、実際の核融合炉に近い中性子環境で得られる実測データも限られてきた。UNITY-3では中性子エネルギーとトリチウム生成量を高感度で測定し、発電所の設計に使う計算モデルの妥当性を検証する。
ORNLは、UNITY-3について、中性子源の形状、試験体の規模、深さ方向の計測能力を組み合わせた「類を見ない施設」と位置付けている。得られたデータは計算モデルだけでなく、AIを使ったデジタルツインの学習や検証にも活用する計画だ。
米エネルギー省(DOE)が2026年6月に公表した核融合科学・技術ロードマップでは、2030年代半ばまでの核融合パイロットプラント実現に向け、重要インフラや先端計算・AI、官民連携などを重点分野に掲げている。UNITY-3もDOEの資金支援を受け、官民連携で整備する。
京都フュージョニアリングはこれまでに、京都府久御山町で核融合発電に必要な熱サイクルなどを試験する「UNITY-1」を稼働させている。また、カナダではD-T燃料サイクル統合試験施設「UNITY-2」を開発中だ。
UNITY-3が加わることで、同社の試験施設は熱サイクル、燃料サイクル、中性子工学やトリチウム生成といった核融合発電に必要な複数の領域へ広がることになる。
共同創業者で代表取締役会長の小西哲之氏は「フュージョンの商用化は、もはや物理学上の課題にとどまらない」と指摘。実用化に向けてエンジニアリングや技術開発の重要性が高まっているとの認識を示した。
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