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  • 2023/09/02 掲載

「恒大ショック」の次に来る?“ある企業の崩壊”で中国経済は一気に崩壊する理由

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中国の不動産大手「恒大集団」が米国で破産法の適用を申請した。同じタイミングで不動産大手の「碧桂園」のデフォルト(債務不履行)危機が報じられるなど、中国の不動産市場が厳しい局面を迎えている。両者の実情について探った。
執筆:経済評論家 加谷珪一

執筆:経済評論家 加谷珪一

加谷珪一(かや・けいいち) 経済評論家 1969年宮城県仙台市生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。 野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事。現在は、経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行っている。著書に『貧乏国ニッポン』(幻冬舎新書)、『億万長者への道は経済学に書いてある』(クロスメディア・パブリッシング)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)、『ポスト新産業革命』(CCCメディアハウス)、『新富裕層の研究-日本経済を変える新たな仕組み』(祥伝社新書)、『教養として身につけておきたい 戦争と経済の本質』(総合法令出版)などがある。

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恒大集団・碧桂園の経営危機の深刻度は? 両社の事情を解説する
(写真:アフロ)

資産も負債も莫大な額

 「恒大集団」は以前から経営危機が表面化しており、経営再建を進めている最中だが、2023年8月17日、米ニューヨークのマンハッタン地区連邦破産裁判所に連邦破産法15条の適用を申請した。米国では国内企業の破産については連邦破産法11条が適用されるが(いわゆるチャプターイレブン)、今回の申請は15条である。15条はあくまでも資産の保全を目的とした措置であり、この申請によって会社が即破産するというわけではない。

 米国で破産申請したのは、破産法15条の適用によって強制的な差し押さえを回避するためと考えられ、今のところ同社は自主的な再建を目指すとしている。だが、現実問題として同社が自主的に経営を再建できる見込みは薄い。その理由は同社の財務状況が極めて深刻だからである。

 同社の2023年12月期における売上高は2,300億元(約4.6兆円)だったが、赤字額が売上高の半分近くに相当する1,059億元(約2.1兆円)なっている。恒大の資産額は三井不動産の4.2倍もあり、その規模の大きさが分かる。

最大の問題は「資金繰り」

 赤字額もさることながら同社における最大の問題は資金繰りである。

 同社が保有する資産のうち約6割は建設途上のオフィスビルやマンションであり、一方で同社が抱える負債の約7割が、建設事業者などに対する未払い金である。建設会社への支払いが滞っていることから、一部の物件では工事がストップした状態となっている。

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もし恒大が正式に破綻するといった事態になれば広範囲に破綻の影響が及ぶ可能性がある
(Photo:chinahbzyg/Shutterstock.com)

 中国の場合、マンションの購入は全額前払いが基本となっており、日本のように完成後引き渡しという商習慣ではない。デベロッパーは早いタイミングでキャッシュを獲得できるので、本来であれば資金繰りは容易なはずだが、現実問題として同社は資金の確保に苦労している。中国の規制では、顧客から受け取った代金は第三者が管理し、建設の進捗に合わせて建設会社に支払うルールとなっているが、実際にはそうした保全や管理は行われていなかった可能性が高い。

 もし恒大が正式に破綻するといった事態になれば、建設会社などに対する莫大な未払いが表面化し、今度は建設会社やその取引先など、広範囲に破綻の影響が及ぶ可能性がある。 【次ページ】碧桂園の方が経済全体への影響が大きい? その理由とは

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