- 会員限定
- 2023/10/04 掲載
アメリカン航空はなぜ「世界最大」になれたのか?JALとの連携を強化するワケ
航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅に関する記事や連載コラムを執筆する航空ジャーナリスト。世界の航空の現場を取材し、内容をわかりやすく解説する。テレビ、ラジオの出演経験もあり、航空関係の講演を随時行っている。ブログ「Avian Wing」の他、エアラインなど取材対象の正式な許可を得たYouTube チャンネル「そらオヤジ組」も更新中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。
世界一の航空会社、アメリカン航空
米国の御三家航空会社は、アメリカン、デルタ、ユナイテッドの3社ともに1920年代に操業を開始し、第二次世界大戦を乗り越えてきた。1978年は「航空規制」を撤廃するデレギュレーション(規制緩和)の荒波をくぐりぬけ、多くの航空会社との合併を繰り返し、2001年には米国同時多発テロの標的となった。その後の2000年代には3社ともにチャプター11(米国破産法)を申請し、経営再生して今に至る。AALは、1926年に大西洋にて単独無着陸横断飛行を行ったロバートソン・エアクラフト・カンパニーのチャールズ・リンドバーグが興した会社だ。当初はDH-4複葉機にて郵袋(ゆうたい)をセントルイスからシカゴまで輸送した。
その後、社長になるC.R.スミスの手によってダグラス航空機に対してDC-3の発注が行われ、1936年にニューヨークとシカゴ間で商用飛行を開始し、その後、経営が軌道に乗った。この航空機は、アメリカン航空が発注航空会社になるだけでなく、旅客機・輸送機部門で総生産数1.6万を超え、世界一の機数を誇る。80年を超えた今でも現役で飛ぶ機体が存在する。
航空業界のさまざまなスタンダードを作った
AALは、航空業界の多くのスタンダードを初めて世に送り出したことで知られる。貨物・大西洋横断・米国大陸横断のそれぞれの定期便、空港ラウンジ、予約システム、黒人・女性パイロット、マイレージプログラムなどだ。これらのすべてがエポックメイキングであり、これらすべては現在も続いている。特に利用者にとって欠かせないものとなった空港ラウンジとマイレージプログラムは航空旅客を獲得するキーワードでもある。
- 空港ラウンジ
AAL社長のC.R.スミスは、重要な顧客にAAL艦隊の提督のような気分になってもらいたいという気持ちから英訳のアドミラルという名前を付けた。このアドミラルクラブが現在も使われる同社の重要顧客のステータスになる。現在では、航空会社の代表する基幹機材の呼び名であるフラッグシップの呼称とともにラウンジは運営される。
- マイレージサービス
関連タグ
関連コンテンツ
PR
PR
PR