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- 2024/02/07 掲載
JAL新フラッグシップA350-1000の全貌、史上初の機内設計はここが違う
連載:「北島幸司の航空業界トレンド」
JALのフラッグシップ導入で国際線の収益向上は必須
現在JALは、売上高の比較でANAに対して若干後塵(こうじん)を拝している。2010年以降、国際線の発着枠を中心にANAへ傾斜配分がなされた結果、2015年には旅客輸送量をANAに抜かれた。その後も、競合関係を続けながらANA優位の状況は続く。2023年3月期の国際線旅客売上高では、JAL対ANA比87%、2023年Q2比で96%とANAが勝る。フラッグシップ導入によりJALは、この数字を巻き返すことのできる強力な武器を得たことになる。
5年の構想期間を経たフラッグシップ開発に迫る
過日、羽田空港メンテナンスセンター2で行われたフラッグシップの内覧会に参加したので報告したい。実機の内容は想像を超えていた。商品・サービス開発部の西垣 淳太氏は、客室仕様の開発の経緯と各クラスの特徴を次のように語った。
「機内デザインは、5年かけて練り上げました。コンセプトは『デザインユアストーリー』で、旅であなたの物語を作り上げてほしいという願いを込めています」(西垣氏)
ファーストクラスは、圧巻だ。日系航空会社史上初の1-1-1配列と、157cmもの高い壁を設け、個室感を高めている。現行の3倍の居住空間を確保しているという。天井には手荷物収納はなく、開放感がある。
シートはソファ・シングルベッド・ダブルベッドの3つのモードがあり、好みのスタイルでくつろぐことができる。43インチのIFE(機内エンターテインメント)をシートインスピーカーで聞けば、まさに機上のプライベートオーディオルームだ。
賀夾 萌葉氏は、機内エンターテインメントについて、次のように語る。
「ファーストクラスには43インチモニターを装備しました。全クラスのモニターで4K対応となり、電子書籍や、ライブTVを楽しむことができます」(賀夾氏)
乗り継ぎのある顧客には、乗り継ぎタイムラインを案内するという。
ビジネスクラスには、JALとして初の個室扉を装備した。スタッガードになっており、機窓を楽しみたい人は、前方座席では奇数、後方では偶数のA、K席を選ぶと窓の横になる。ペアで乗る場合には中間席が良いのだが、サイドテーブルが間に入る設計のため、真隣にはならない。
ファーストクラス同様にヘッドレストに内蔵スピーカーがあるため、ブルートゥースで自身のデバイスの楽曲を楽しめる。 【次ページ】プレミアムエコノミーとエコノミーの全貌
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