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  • 2023/08/29 掲載

ANAも導入、ニュージーランド航空が提供のエコノミー「スカイカウチ」は何がスゴい?

連載:「北島幸司の航空業界トレンド」

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南半球の国ニュージーランドは、北半球の日本からだと長距離移動を余儀なくされる遠い国のイメージがある。欧米諸国へは更に遠距離の旅を余儀なくされるが、その遠さを逆に活かしたサービスがニュージーランド航空で開発されている。それは、熟睡できるエコノミー「スカイカウチ」だ。ANAも同サービスを取り入れて、好評を得ている。本稿では、そのユニークなサービスを紹介する。

執筆:航空ジャーナリスト 北島 幸司

執筆:航空ジャーナリスト 北島 幸司

航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅に関する記事や連載コラムを執筆する航空ジャーナリスト。世界の航空の現場を取材し、内容をわかりやすく解説する。テレビ、ラジオの出演経験もあり、航空関係の講演を随時行っている。ブログ「Avian Wing」の他、エアラインなど取材対象の正式な許可を得たYouTube チャンネル「そらオヤジ組」も更新中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。

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ニュージーランド航空の就航機ボーイング787-9
(写真:筆者撮影)

航空機の座席クラスの違い

 一般的に、ビジネスクラス、ファーストクラスはゆったり快適、それに比べてエコノミークラスは身体が動かせなくてきついというイメージがある。近年その窮屈さを和らげようと、エコノミークラスとビジネスクラスの間の位置づけとなる「プレミアムエコノミークラス」が定着してきた。

 プレミアムエコノミークラスは、エコノミークラスのシートピッチを広げたもの。シート配列はボーイング787を例にとると、通常のエコノミークラスが3-3-3なところ、2-3-2や2-4-2など座席幅も余裕を持たせている。また、航空会社により差はあるが、機内食をアップグレードするようなものが多いようだ。

 日本からニュージーランドまで唯一の直行便を運航する、ニュージーランド航空では、プレミアムエコノミークラスが好評だが、世界初の眠れるエコノミーサービス「スカイカウチ」も提供している。

「スカイカウチ」は他の座席となにが違うのか?

 現在、ニュージーランド航空の日本線は、成田空港からオークランドまで1往復をボーイング787-9型機で毎日運航している。3-3-3配列で並ぶエコノミークラス263席のうち、窓側を含むA-Cの3席とH-Kの3席の合計42席が予約数に応じて最大14のスカイカウチに変身する。

 他の座席との違いは、ひじ掛けのボタンはリクライニング用と座席をフラットにするレッグレスト操作に使う2つ装備されていること。そして専用のシートベルトと寝具が用意されていることになる。

 予約時に追加料金を払うと、大人2人、大人1人子供2人などいろいろな組み合わせで3席をベッドのように使うことができる。

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スカイカウチをセットした様子
(写真:筆者撮影)

ANAも始めた眠れるサービス

 前述のとおり、日本からニュージーランドへの直行便は、ニュージーランド航空のみとなる。競合の無い単独路線でニュージーランド航空が、利益優先ではない顧客重視のサービスを行っていることは称賛される。

 エアライン側の都合で言えば、1人ないし1人と子供などで追加料金の収受で搭乗させるのであれば、3席をバラで売ったほうが収益は上がる。それをしないで、眠れるサービスを継続するのは顧客志向のマーケティングができているエアラインなのではないかと思う。

 ただ、このスカイカウチのサービスは他社では体験できないのだろうか。

 実は、ANAはホノルル線専用で就航させているエアバスA380フライングホヌで「ANAカウチ」サービスを始めている。

 ホノルルは、日付変更線を越えるリゾート地であることから人気はあるが時差が激しく、日本発は全ての便が夜発になることから機内での睡眠需要は高い。

 そこに目を付けたANAは、同じスターアライアンスのニュージーランド航空にアドバイスを受けたのだ。 【次ページ】世界初、エコノミークラスに3段ベッド?

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