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- 2024/03/08 掲載
【単独】物流大手「鈴与」会長に聞く日本の空“第3勢力構想”とスカイマークへの期待
連載:「北島幸司の航空業界トレンド」
日本の航空会社の勢力図
FDA、SKY連合の話を進める前に、ANA、JALを大手とする日本の航空会社の現在のシェア構造をひもといてみたい。最新の2022年度の数字は、いまだにコロナ禍以前の2019年を超えていないものの、各航空会社の立ち位置はよく分かる。今回、FDAは6.5倍規模のSKYの筆頭株主になったことになる。日本の航空会社の輸送力シェアは、ANAとJALでほぼ8割に達する勢いである。ピーチアビエーションは6.6%であり、大手2社と3位以下とはかなりの数値格差がある。
仮にFDAとSKYが合併して新たな航空会社となるにしても10%に満たないシェアであり、第3勢力になるためには、さらなる規模感がほしいところだ。
ここで、東亜国内航空(TDA)が営業していたころの1980年代後半の「国内旅客数」データをご紹介したい。ANAが5割超え、TDAとJALで2割ずつ、3社の航空会社で9割を超えるシェア構造だった。
TDAは国内線シェアでJALを超えており、国際線を含んだJALを考えてもしっかりと第3勢力の位置を占めている。
鈴与グループ本社へ向かう
このあたりの日本の航空会社の構図を念頭に、鈴与グループ 鈴木 与平会長にFDA・SKY連合の今後の展開をぶつけてみるために静岡の鈴与本社に向かった。本社は、静岡県清水区入船町にある。同社は、日本の港湾荷扱いでトップ10に入る清水港とともに成長してきた会社だ。本社の前を走る国道149号線の港側には、富士山を望む大規模商業施設のエスパルスドリームプラザがある。これも同社が開発・整備したものだ。
創業1801年で220年を超える長寿企業の同社は、地元静岡を代表する企業の1つである。歴代社長は社名の通り鈴木 与平を襲名し、会社を大きく成長させてきた。
現会長の与平氏は、社業200周年を機に8代目を襲名し、現在に至る。長男の健一郎氏を鈴与の社長に据え、自身は航空ビジネスを軌道に乗せるべく第一線で指揮を執る。与平氏は胸にエンブラエル機のピンバッジを飾り、飛行機柄のネクタイを身に着け応接室に颯爽と現れた。
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