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  • 2023/11/14 掲載

アップルとテスラに共通する「切実すぎる」経営事情、自らに課した「進化の重圧」とは

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アップルとテスラ、これらの巨大企業は新たな市場を切り開き、いまだにトップであり続けている。その両社は先日、それぞれ新型iPhoneの発売とテスラModel 3のアップグレードを発表。ここでは、上位モデルの機能を下位モデルに継承させる共通点が見られた。なぜ今まで見られなかった、このような戦略を打ち出したのか。本稿では両社の発表を基に、現在直面している切実な経営事情について解き明かす。

執筆:MBAエンジニア/Tech系YouTuber 倉嶌 洋輔

執筆:MBAエンジニア/Tech系YouTuber 倉嶌 洋輔

AI時代のキャリア生存戦略』著者。1985年生まれ。大学卒業後、ワークスアプリケーションズに入社し、エンジニアとしてキャリアをスタート。その後、転職し、スマホアプリのエンジニアやSEとなり、Tech領域の知見を広げる。MBA通学を機にビジネス系の知見を広げ、2017年に「テクノロジー×ビジネス」のマルチスキルを活かし、コンサルタントとして独立。法人向けに、グルメレビューサービス企業や東大系AIベンチャー、ゼネコン企業等をクライアントにしたコンサルタントとしての活動をしながら、一般向けにはYouTubeやUdemyを通して「ビジネスで使えるTech系リテラシー」を育てるための情報発信を行っている。

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テスラとアップルが直面する経営事情とは
(Photo:Koshiro K / Shutterstock.com、Grzegorz Czapski / Shutterstock.com)

iPhone15が14Proから受け継いだ「3つの機能」

 2023年9月のアップルの新製品発表会で、iPhone Proの特徴的な機能が下位版のiPhoneに多数搭載されることが発表された。まず、iPhoneの新旧での製品構成は、次の図1の通りだ。

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図1:iPhoneの新旧および上位・下位のモデル
(筆者作成)

 今回、注目したいのは、旧上位モデルのiPhone14 Proから、新たな下位モデルのiPhone15に引き継がれた次の3つの特徴だ。

  1. (1)カメラ性能:iPhone15のカメラの画素数(48万画素)は、iPhone14 Pro、iPhone15 Proと同等にスペックアップ

  2. (2)プロセッサー:頭脳とも言えるプロセッサーは、iPhone14 Proの「A16 Bionic」を、iPhone15に搭載(前モデルの上位機種の頭脳を最新モデルの下位版が受け継いだ形となる)

  3. (3)ダイナミックアイランド:上位モデルの大きな特徴だったダイナミックアイランドも下位モデルに搭載
※ダイナミックアイランドは、進行中のアクティビティなどをホーム画面、または使用中アプリの上部に表示する機能

 つまり、2023年のiPhoneは上位モデルと下位モデルの差が縮まったわけであり、iPhone Proシリーズを買わなくとも同様の高性能な機能を使えることに喜びを感じたユーザーも多いはずだ。この機能継承を図解すると、次のような形になる(図2)。

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図2:旧上位モデルであるiPhone14 Proの3つの機能を、新型下位モデルであるiPhone15に受け継いだ
(筆者作成)

 上位モデルの有意な点は、機能を継承した分、格段に減っているが、こういった変化はテスラにも起きている。

テスラのModel 3が受け継いだ最新機能

 先日発表されたテスラのModel 3の大型アップデートにも、アップルと同様の特徴が見られ、上位モデルの機能やオプションを最新の下位モデルに採用する形を取った。ちなみに、テスラの製品構成は次の通り。こちらは発売年ではなく、車両タイプ(セダン/SUV)を横軸にとり、比較している(図3)。

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図3:テスラの車両タイプ別の上位・下位モデル
(筆者作成)

 テスラの場合で、上位モデルから下位モデルに引き継がれた機能やオプションは、たとえば次の3つが挙げられる。

  1. (1)サイドレバーの廃止+ハンドルの進化:方向指示器やワイパーのサイドレバーを廃止し、ハンドル上のボタンで操作する形を採用

  2. (2)後部座席用のモニター搭載:後部座席で動画視聴やゲーム、空調操作、前の座席の前後移動を操作できる機能を搭載

  3. (3)新色の塗装が選択可能に:上位モデルでは2023年から選択可能になった「ウルトラレッド」が、下位モデルでも塗装オプションとして選択可能に

 図にすると次の図4の通りだ。

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図4:Model 3はアップグレードにより、Model Sから複数の機能を継承
(筆者作成)

 これだけでなく下位モデルのModel 3では、シート内部から送風するベンチレーション(空調)機能や、車内のLEDイルミネーションなど、むしろ現状の上位モデルにはない特徴まで備えている。

 こうした下位モデルの進化の傾向からは、新たな市場を開拓してきた両社ならではの事情が垣間見えてくる。 【次ページ】機能継承が2社に与える「大打撃」

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