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- 2026/01/30 掲載
残業62%減、売上も2.5倍に…愛知の制御盤メーカーの効果絶大だった「現場DX」の全貌
連載:第4次産業革命のビジネス実務論
アルファコンパス 代表CEO
中小企業診断士、PMP(Project Management Professional)
1990年3月 早稲田大学大学院修士課程(機械工学)修了。同年に東芝に入社後、製造業向けSCM、ERP、CRMなどのソリューション事業立ち上げに携わり、その後、インダストリアルIoT、デジタル事業の企画・マーケティング・エバンジェリスト活動などを担うとともに、オウンドメディア「DiGiTAL CONVENTiON」の立ち上げ・編集長などをつとめ、2024年に退職。
2020年にアルファコンパスを設立し、2024年に法人化、企業のデジタル化やマーケティング、プロモーション支援などを行っている。
主な著書に『デジタル・プラットフォーム解体新書』(共著:近代科学社)、『デジタルファースト・ソサエティ』(共著:日刊工業新聞社)、『製造業DX: EU/ドイツに学ぶ最新デジタル戦略』、『製造業DX Next Stage: 各国/地域の動向やAIエージェントがもたらす新たな変革』(近代科学社Digital)がある。その他Webコラムなどの執筆や講演など多数。2024年6月より現職。
愛知県発「三共電機」とは何者か?
三共電機は、愛知県稲沢市に本社と3つの工場を構え、2026年に創立39年を迎えます。2020年に2代目の三橋進氏が代表取締役に就任し、営業およびSE領域は三橋徹氏が統括しています。創業当初は制御機器の販売商社でしたが、顧客の要望を受け、設立7~8年後から制御盤の設計・製造を開始。現在は部品販売から大型制御盤(水冷配管・温度管理を含む)の設計・製作、電気工事、PLCソフトウェア設計、現地SV(Supervisor)まで、国内外で幅広く対応しています。
さらに、FAコンサルティングにも注力しており、仕様書作成段階から顧客と伴走し、航空機産業向け制御盤など高度な要求にも応えています。
顧客セグメントは、工作機械・ロボットメーカー、クレーン、航空宇宙産業、自動車関連のプレス・溶接ライン、シールドマシンなど多岐に渡ります。ピーク時には200名規模の現場体制を敷く大型プロジェクトも手がけています。
制御盤の「設計・製造」の高度化、どう実現した?
同社は2年前に電気設計CAD「Eplan」を導入し、設計業務の効率化とデータプラットフォーム化を推進、設計と製造の連携を強化しています。2025年には、リタールの全自動電線加工機「WTC(Wire Terminal C)」を導入し、Eplanデータから自動で電線加工を行う仕組みを構築。配線準備や電線加工の自動化・効率化を進めています。
たとえば、WTCからは切断やフェルール端子加工がされたケーブルが作業順に並んだ形で提供されるほか、Eplanを見れば配線の手順が分かります。こうしたソリューションを用いることで非熟練者でも制御盤配線が可能になるような世界を目指した取り組みを進めているのです。
また、三橋徹氏はRealtime Roboticsの「RTR Certified Evangelist」を兼務しており、Eplanで定義した座標軸を基に複数ロボットのモーション・プランニングを自動化し、干渉回避を含む自動配線の実現を目指すPoC(実証実験)を推進しています。
これにより、従来は人手で行っていたティーチングや干渉チェックの自動化が期待され、1~2日で基本動作に到達できる開発スピードを確保。職人ノウハウのデジタル化・標準化による品質向上と生産性向上が見込まれています。
紙業務の9割が消えた…効果絶大だった「改革の全貌」
三橋進氏が会社を継いだ12年前、三共電機は売上増加に反して管理が煩雑化し、従業員の疲弊が深刻だったと言います。そこで同氏は「社員の平均年収700万円」を目標に掲げ、改革に着手。しかし当時の社員数は17名で、社内には「社長が勝手に言っている」という空気もあったそうです。
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