• 2026/03/23 掲載

パナやシャープの牙城に異変…なぜ象印は電子レンジに再参入?「17年ぶり」逆襲の真相

新連載:家電で読むメーカー戦略図鑑

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パナソニックやシャープ、東芝など強豪ひしめく電子レンジ業界に、新たなプレーヤーが登場した。それが2005年の生産終了以来約17年ぶりとなる2022年に「EVERINO(エブリノ)」シリーズで再参入を果たした象印マホービンだ。独自の機能を武器に、再参入直後から大きな存在感を示している。他社にはないユニークな機能を満載した狙いや経緯などについて開発者に取材すると、同社の“覚悟”が見えてきた。
執筆:IT・家電ジャーナリスト 安蔵 靖志

IT・家電ジャーナリスト 安蔵 靖志

一般財団法人家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout 家電ガイド。日経BP社「日経ネットナビ」「日経ネットブレーン」「デジタルARENA」「日経トレンディネット」などを経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの構成などにも携わっている。

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独自の「うきレジ」専用ガラスボウルを持つ、象印マホービン 商品企画部 企画G シニアアドバイザーの稗田雅則氏
(写真:筆者撮影)

炊飯器の“次”を狙え──「1,200億円市場」に悲願の再参入

 象印マホービンは炊飯器や電気ポットはもちろんのこと、オーブントースターやホットプレートなどキッチン家電を数多く展開しているものの、電子レンジは長らく扱っていなかった。再参入した狙いについて商品企画部 企画G シニアアドバイザーの稗田雅則氏は次のように語った。

「それまで我々の扱っている商品カテゴリーの中で売上規模が最も大きいのが炊飯ジャーで、業界全体で1,000億円ぐらいと言われています。その次に大きいのが空気清浄機ですが、こちらは他社が強い。これ以上売り上げを伸ばすためには、もう1つの柱が欲しい。そこで売上規模が1,200億円ほどある電子レンジ市場に再参入するのは我々の悲願でした」(稗田氏)

 再参入と言っても、同社が以前に展開していたのは単機能電子レンジが主力でオーブンレンジは自社開発ではなくOEM供給(相手先ブランド製造)を受けていたため、実質的には新規参入に近い状態であった。

 競合も多いため再参入へのハードルは高い。そこでオーブンレンジに対する不満点を洗い出すため、社内でのアンケート調査を実施した。すると、レンジ機能のあたためムラが最も大きな不満点として上がってきた。この不満を解決することこそが、再参入に向けた大きな課題だった。 【次ページ】「最大の不満」をどう解決?象印の技術者たちが出した“答え”
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