- 2026/01/27 掲載
ソニーはなぜテレビを“分離”した?日本勢が勝てなくなった構造と「本命の巨大市場」
中国のテレビ大手TCLと手を組んだソニー
ソニーは2026年1月20日、中国のテレビ大手TCL Electronics Holdingsとホームエンタテインメント領域で戦略的提携に向けた基本合意書を結んだ。ソニーのホームエンタテインメント事業を承継する合弁会社を設立し、出資比率はTCLが51%、ソニーが49%となる。新会社はテレビやホームオーディオ機器について、製品開発・設計から製造、販売、物流、顧客サービスまでを一貫してグローバルに運営する。2026年3月末をめどに法的拘束力のある確定契約を目指し、関係当局の許認可などを条件に2027年4月の事業開始を想定する。「Sony」「BRAVIA」のブランドは継続され、今回の合弁化は“撤退”ではなく、運営モデルの再構築に近い。
日本勢がテレビで勝てなくなった「本当の理由」
この種の再編はソニーに限らない。2016年にシャープが台湾・鴻海精密工業(フォックスコン)の傘下に入り、東芝は2017年に映像事業会社(東芝映像ソリューション)の株式の大半を中国ハイセンスに譲渡した。日本勢がテレビで単独完結のビジネスモデルを維持する難しさは、すでに業界の共通課題になっていた。今回の合弁は、ブランドを残しつつ運営の土台を変える点で、従来の事業売却や単純なライセンス供与とは異なる。
日本のテレビ需要は縮小が語られがちだが、論点はそれだけではない。
高価格帯の需要は一定数あり、各社は高精細化や高輝度化、音響の強化で付加価値を積み上げてきた。それでも利益が安定しにくいのは、価格が最終製品のブランドだけで決まりにくく、パネル、SoC、物流費、為替といった外部要因が収益に強く影響するからだ。
ソニーは高画質・高音質の設計や映像処理で差別化してきたが、量産と調達の土台は巨大メーカーが握る。ここに「売れても儲からない」構造がある。
【次ページ】テレビが「売れても儲からない」3つの構造問題
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