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  • 2025/08/28 掲載

【保存版】アクセンチュア流「生成AI活用術」大解剖、この会社…やっぱり凄すぎた理由

連載:デジタル産業構造論

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生成AI活用に先進的に取り組む企業の中には、たとえば、CopilotやChatGPTを徹底的に業務で活用したり、GitHub Copilotなどを活用しながらシステム開発に取り組む企業も出てきている。このようにAIを前提とした業務フローに変革していくことで大幅に生産性を向上させることができるが、超・先進企業であるアクセンチュアは、これら取り組みだけでは“他社との差別化にならない”と考え、1歩先に進んだ生成AI活用を実践している。今回は、生成AI活用の最前線とも言えるアクセンチュアの生成AI活用術を考察する。
執筆:d-strategy,inc 代表取締役 、東京国際大学 特任准教授 小宮 昌人

d-strategy,inc 代表取締役 、東京国際大学 特任准教授 小宮 昌人

株式会社d-strategy,inc 代表取締役CEO、東京国際大学 データサイエンス研究所 特任准教授

 日立製作所、デロイトトーマツコンサルティング、野村総合研究所、産業革新投資機構 JIC-ベンチャーグロースインベストメンツを経て現職。2024年4月より東京国際大学データサイエンス研究所の特任准教授としてサプライチェーン×データサイエンスの教育・研究に従事。加えて、株式会社d-strategy,inc代表取締役CEOとして下記の企業支援を実施(https://dstrategyinc.com/)。

(1)企業のDX・ソリューション戦略・新規事業支援
(2)スタートアップの経営・事業戦略・事業開発支援
(3)大企業・CVCのオープンイノベーション・スタートアップ連携支援
(4)コンサルティングファーム・ソリューション会社向け後方支援

 専門は生成AIを用いた経営変革(Generative DX戦略)、デジタル技術を活用したビジネスモデル変革(プラットフォーム・リカーリング・ソリューションビジネスなど)、デザイン思考を用いた事業創出(社会課題起点)、インダストリー4.0・製造業IoT/DX、産業DX(建設・物流・農業など)、次世代モビリティ(空飛ぶクルマ、自動運転など)、スマートシティ・スーパーシティ、サステナビリティ(インダストリー5.0)、データ共有ネットワーク(IDSA、GAIA-X、Catena-Xなど)、ロボティクス・ロボットSIer、デジタルツイン・産業メタバース、エコシステムマネジメント、イノベーション創出・スタートアップ連携、ルール形成・標準化、デジタル地方事業創生など。

 近著に『メタ産業革命~メタバース×デジタルツインでビジネスが変わる~』(日経BP)、『製造業プラットフォーム戦略』(日経BP)、『日本型プラットフォームビジネス』(日本経済新聞出版社/共著)。経済産業省『サプライチェーン強靭化・高度化を通じた、我が国とASEAN一体となった成長の実現研究会』委員(2022)、経済産業省『デジタル時代のグローバルサプライチェーン高度化研究会/グローバルサプライチェーンデータ共有・連携WG』委員(2022)、Webメディア ビジネス+ITでの連載『デジタル産業構造論』(月1回)、日経産業新聞連載『戦略フォーサイト ものづくりDX』(2022年2月-3月)など。

【問い合わせ:masahito.komiya@dstrategyinc.com】

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やっぱりコンサル王者は凄かった…アクセンチュアの多岐にわたる「生成AI活用」の全貌とは?
(Photo:Mamun_Sheikh/Shutterstock.com)
本記事は、アクセンチュア 執行役員 ビジネス コンサルティング本部、データ & AIグループ日本統括 AIセンター長、アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京共同統括、博士(理学)の保科学世氏に取材した内容を基に、執筆者である小宮昌人氏が内容を整理・考察したものです。

事例(1):300個も…増え続ける「社内の生成AIアプリ」

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アクセンチュア
執行役員 ビジネス コンサルティング本部
データ & AIグループ日本統括 AIセンター長
アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京共同統括
博士(理学)
保科学世 氏
 生成AIの活用に積極的に取り組んでいるアクセンチュアには、他の会社ではあまり見られない「生成AIの活用を活発にする仕組み」がある。

 具体的には、現場の社員が自分たちの業務を効率化するために、生成AIを活用したアプリケーションを自ら開発し、それを社内で共有し、互いに利用できる体制が整っている。

 そうした「生成AI開発→社内共有」の仕組みを支えているのが、アクセンチュアが独自開発した「Accenture Peer Worker Platform」と呼ばれるプラットフォームだ。このプラットフォームにより、ツールを自ら開発し、社内で公開するというサイクル・カルチャーが生まれているのだ。

 現在、公開されているものだけで300以上のアプリが存在し、非公開のものを含めると数千のアプリが開発されているようだ。

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アクセンチュアの社内アプリストア Accenture Peer Worker Platform
【詳細はこちら】

(出典:アクセンチュア提供資料より)

開発された「社内の生成AIアプリ」の例

 この「Accenture Peer Worker Platform」のプラットフォーム上で、現場社員によって開発されたアプリケーションの一例が、文章要約や、レビューアシスタント、アイデア発想などだ。たとえば、「レビューアシスタント」というアプリを使うと、どのように業務が変わるのか紹介していこう。

 コンサルティングファームでは、マネージャーなどの上位者が若手社員の作成した調査・分析の結果、資料を確認し、内容をともにブラッシュアップしていく「レビュー」というプロセスが存在する。

 このレビューは、分析の質を高めたり人材を育成したりするために不可欠なプロセスだが、毎回、レビューを受ける側と行う側の双方にとって負担が大きいプロセスであった。また、指摘する内容にも共通する部分が多いのが実情であった。

 そうしたプロセスにおいて「レビューアシスタント」は活躍するアプリになっている。具体的には、レビュー時にチェックすべき項目を生成AIに参照させ、若手社員が作成した資料をAIに読み込ませることで、若手社員はレビュー前に上位者の視点で自分の資料や分析内容を見直すことができるようになる。これにより、事前に壁打ち(自分で問題点を洗い出すこと)ができるようになるのだ。

 さらに、こうしたAIによる事前チェックを経て質の高い資料がレビューに回ることで、上位者の負担も軽減される。加えて、基本的な指摘ではなく、資料の内容を前提とした本質的な議論ができるようになり、全体の品質向上にもつながるのだ。

事例(2):分析簡単に…「データサイエンス自動化ツール」

 こうした社内のアプリ開発を促す取り組みとは別に、アクセンチュアではAIを活用することでデータサイエンスの作業の自動化・効率化も進めている。

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