- 会員限定
- 2025/11/13 掲載
「柏・松戸に住んでて正解だったわ……」常磐線ユーザーが鼻高々になれた“街の秘密”
連載:小林拓矢の鉄道トレンド最前線
1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学教育学部社会科社会科学専修卒。「東洋経済オンライン」「ITmedia」「マイナビニュース」などに執筆。Yahoo!ニュースエキスパート。単著に『京急 最新の凄い話』(KAWADE夢文庫)、『関東の私鉄沿線格差』(KAWADE夢新書)、『JR中央本線 知らなかった凄い話』(KAWADE夢文庫)など。共著に『関西の鉄道 関東の鉄道 勝ちはどっち?』(新田浩之氏との共著、KAWADE夢文庫)、首都圏鉄道路線研究会『沿線格差』『駅格差』(SB新書)などがある。
なぜ、常磐線沿線は“ちょうどいい暮らし”ができるのか
東京の北東を走る常磐線は、北千住・松戸・柏といった街を結ぶ、首都圏でも有数の人気エリアだ。
都心へのアクセスもスムーズでありながら、家賃もそれほど高くない、アクセスと家賃のバランスの良い地域と言える。
主要な駅の周辺には大型商業施設が並び、子育てや単身世帯の両方にとって暮らしやすい条件がそろう。
そんな住宅と商業が共存する“ちょうどいい街”として注目を集めているが、その裏には、ある「成功の法則」が隠されている。
ここからは、常磐線沿線がどのように発展してきたのか見ていきながら、その法則を解説していきたい。
東海道線や中央線などが戦前から都市化を進めていたのに対し、常磐線沿線の本格的な発展は戦後の高度経済成長期に始まった。住宅需要の高まりとともにベッドタウン化が進み、鉄道整備と街の成長が同時に進む“後発型”のエリアとして発展していったのだ。
しかし、人口が増えるスピードに対して鉄道の設備が追いつかず、朝夕の混雑は深刻化し、ラッシュ時の混雑率は250%を超える日もあったという。
このままでは、混雑は解消されず、沿線の発展そのものも頭打ちになりかねない状況だった。そのような中で、国鉄(現・JR)と営団地下鉄(現・東京メトロ)は1つの決断を下す。
この判断が、北千住や松戸、柏などの常磐線沿線の価値を押し上げるきっかけとなった。 【次ページ】混雑率250%越えの「通勤地獄」を変えた“ある施策”とは
運輸業・郵便業のおすすめコンテンツ
PR
PR
PR