- 2026/08/20 06:50 掲載
【比較】三菱重工・IHI・川崎重工、実はドル箱「航空エンジン特需」の勝ち組はどこか(3/4)
【比較】エンジン特需の「稼ぎ方」を徹底分析
2027年3月期第1四半期には、民間エンジン事業の売上収益が前年同期比27%増となり、新製エンジン、アフターマーケットともに大幅に増収。IHIが示す通期見通しでは、民間エンジン事業の売上収益に占めるスペアパーツの比率は60%、MROは7%を見込む。新製エンジンを売るだけでなく、すでに飛んでいる大量のエンジンから継続的に収益を得る構造が形成されつつある。
三菱重工も「新製+MRO」を持つ。PW1100G-JM、Trent XWB、Trent 1000などに参画するほか、PW4000、V2500、PW1100G-JMの整備を展開。PW1100G-JMでは燃焼器部位の設計・製造、Trent XWBでは燃焼器モジュールと低圧タービン部位の製造を担当するなど、エンジンの主要部位で技術的なポジションを確保している。
MROの能力増強も進めてきた。愛知県小牧市の航空エンジン整備工場では、PW4000やV2500に加えてPW1100G-JMも扱い、世界的に増える整備需要の取り込みを狙っている。
一方、川崎重工の特徴は、エンジンだけで企業を見ると実力を見誤ることだ。同社の航空宇宙システムは、民間航空機、防衛航空機、航空エンジンなどを抱える大きな事業群であり、2027年3月期には売上収益7,200億円を計画する。民間航空需要の回復と防衛需要の拡大を、エンジンだけではなく航空宇宙事業全体から取り込めるのが強みとなる。
つまり同じ航空エンジン関連でも、IHIは新製・スペアパーツ・MROまで含めたエンジンのライフサイクル収益、三菱重工は主要部位の製造とMRO、川崎重工はエンジンを含む航空宇宙システム全体という異なる稼ぎ方を持つ。
ここに、決算数字だけでは見えない航空需要拡大の本当の勝敗がある。
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