- 2026/11/06 06:50 掲載
【保存版】CAD操作まで丸投げ…「GPT-6 Astra」で仕事の常識をぶち壊す「神テク3選」
連載:製造業に役立つ生成AI活用術
大手メーカーのグループ横断で生成AI教育を実施。営業職や製造業、自治体業務など4万人を超える組織にて、教育コンテンツを作成し、社内の生成AI人材育成に携わる。社外では生成AIコミュニティ「IKIGAI lab.」のオーナーを務め、NewsPicksやインプレス、ビジネス+ITなど7社にて記事を執筆および監修。企業登壇も多数。YouTube「ジェネトピ」でもゆるっと生成AI活用を発信中。
生成AI最前線「IKIGAI lab.」:https://newspicks.com/topics/ikigai-meets-ai
ジェネトピ:https://youtube.com/@genai-topic
CAD操作も丸投げ? AIが「設計する時代」の衝撃
オープンAIはAstraの特徴として、AIがWeb画面やツールを理解し、人間のように操作できる「Computer Use」という機能と、専門的な作業を遂行する能力の向上を挙げています。その中で、回路基板や自動車の変速機を題材にしたデモを公開しており、公式のBenchCAD評価は95.9%を記録しています。これは、画像を基にCADコードを生成し、再現した3Dモデルの形状が元のモデルとどれだけ一致するかを評価したものです。そのため、実際の製品設計に求められる精度や品質まで保証するものではなく、設計業務での実力については、今後さらなる検証が必要と考えられます。
製造業で注目したいのは、設計変更の依頼を受けて、CADモデルの修正から関連図面の更新、周辺部品との干渉確認まで、一連の作業をつなぐ使い方です。
たとえば「取り付けるモーターを別の機種に変更する」という依頼なら、新しいモーターの仕様に合わせてブラケットの穴位置や形状を修正し、組み立てた状態で周辺部品と干渉しないかを確認する必要があります。さらに、変更後の寸法を2D図面に反映しなければなりません。
Astraを使った検証では、こうした複数の工程をどこまで続けて実行できるか、出力されたモデルや図面を使って確かめます。
海外でも、Astraを設計に活用する試みが出てきています。中国のWenzhou NIKE Plasticは、Astra、Codex、Blenderを組み合わせ、特注の結束バンドを3Dモデル化する取り組みを紹介しています。
また、フィンランドのJamk応用科学大学が掲載した記事では、ヤンネ・アラタロ氏が、モーターを撮影した20枚の写真から、寸法などを変更できるパラメトリックモデルを作成する実験を報告しています。いずれも試行段階ですが、図面や写真から設計データを作る用途として参考になる事例です。
ここからは、実際にAstraを使い、画面操作に加えて、FreeCADやKiCadを用いた事例を紹介します。
図面を基にした取付部品の設計、基板の3Dモデル参照の修復、設計変更に伴う干渉確認の3つのケースを検証しようとした際に、Astraが私の許可の下、FreeCADとKiCadをダウンロードして使い始めました。フリーソフトのインストールは、企業で定めるルールがあると思いますので、試してみたい方は、まず個人PCの環境で試すことをオススメします。
実際にGPT-6 Astraを使って検証したところ、設計業務への活用に大きな可能性が見えてきました。
1つ目の事例では、部品の図面を渡して検査用の保持具の設計を依頼。AstraがFreeCADを操作し、約15分で設計を完了しました。
2つ目は、電子基板の公開設計データから3Dモデルを作成する事例です。KiCadを使って約30分でモデルを出力し、ケース設計に必要な部品の確認まで進められました。
さらに3つ目では、装置の移動距離を60ミリから100ミリに延ばす設計変更を依頼。部品同士の干渉を検出し、CADモデルの修正から再確認まで実行できました。
【事例1】部品の図面を渡すだけで「保持具」完成
E3Dが公開しているツール交換機構の部品「TC-FACE」を題材としました。三方向に張り出した外形に加えて、中央の段付き穴、表裏のくぼみ、複数の取付穴を持つアルミ製の部品です。平面図だけでなく、断面図A-Aを照合しなければ、厚みや裏側の形状を把握できないのが特徴です。
図面を添付し、次のように依頼します。
この図面のTC-FACEを、机の上で検査するときに固定できる保持具が欲しいです。
表側の穴やくぼみを見やすい形を考えて、FreeCADで設計してください。
編集できるCADデータと、部品を載せた状態の画像を保存してください。
足りない条件は仮定を示して、まずは初案を作ってください。
後は、Astraが自律的に動作して、保持具を設計します。途中で動作が止まる場合や、エラーが起きる可能性があるので、その場合は適宜フォローしてください。
私の場合は、たまにFreeCADが落ちることがありましたが、15分ほどで設計が完了しました。
設計の観点やノウハウを入れずとも、保持具を作成することができました。各社の設計ノウハウを言語化して、Astraに指示することにより、設計精度面も期待できます。
【事例2】基盤を入れるケースを自動設計
Raspberry Pi Compute Module 5用キャリア基板「CM5 MINIMA REV3」を題材としています。KiCad公式リポジトリにデモとして収録されており、回路図や基板データ、関連するライブラリが公開されており、同じ公開データを使って試せます。
この基板を入れるケースを設計したいです。
基板の大きさや部品の高さ、コネクターの位置を確認できるように、
公開設計データから3Dモデルを用意してください。
対象は「CM5 MINIMA REV3」です。
以下から必要なファイルを取得して、KiCadで作業してください。
https://github.com/KiCad/kicad-source-mirror/tree/master/demos/cm5_minima
編集できるKiCadプロジェクト、ケース設計用のSTEP、
基板全体が見える3D画像をresult_trial/に保存してください。
元の回路や部品配置、配線、基板外形は変更しないでください。
形状が表示されない部品があれば、正しいモデルを探してください。
見つからないものは勝手に補わず、
ケース設計で確認できていない部品として一覧にしてください。
足りない条件は仮定を示して進めてください。
公開された基板設計データから3Dモデルを用意し、ケース設計において確認が必要な項目を洗い出すところまで、一連の作業を実施できました。もちろん複雑な図面や3Dモデルに対して、どこまでできるのか? は今後の検証余地があります。
Macbook Air M4チップ 24GBでは、30分ほどで出力されたので、ご参考までに。
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