- 2026/11/07 06:20 掲載
【比較】トヨタは上方修正だが…デンソーら減益、部品5社の明暗分けた「決定的な差」
トヨタは好決算だが…部品5社は「安心できない」ワケ
トヨタ自動車が11月5日に発表した2027年3月期中間決算は、営業収益が前年同期比9.5%増の26兆9,624億円、営業利益が同9.2%増の2兆1,911億円だった。通期の営業利益予想も従来の3兆4,000億円から3兆9,000億円へ、5,000億円引き上げた。関税負担の軽減やバリューチェーン収益の拡大などを織り込む。ただし、増益には円安も大きく寄与した。会社資料によると、為替・スワップ等の影響を除いた営業利益は前年同期を1,950億円下回る。完成車メーカーも、事業環境が一様に改善したわけではない。
ただ、完成車の決算だけで、サプライチェーン全体の好不調は判断できない。先に中間決算を発表した、自動車部品を手がけるトヨタグループ主要5社では、デンソー、アイシン、トヨタ紡織が増収ながら営業減益。一方、ジェイテクトと豊田自動織機(6月1日付で上場廃止)は営業増益となった。同じトヨタグループでも、利益の方向はそろっていない。
ここで「ハイブリッド車が好調だから系列部品も好調」「EVが失速したから部品が苦戦」と決めつけると、実態を見誤る。トヨタ・レクサスの中間期の販売台数は、ハイブリッド車(HEV)が前年同期比8.3%増の245万台、バッテリーEV(BEV)は同127.4%増の23万1000台だった。
もっとも、通期のBEV販売見通しは従来の53万3000台から46万3000台に引き下げている。足元の伸びと計画の修正は分けて読む必要がある。
部品メーカーの場合、どの車種・地域向けに供給しているかに加え、資材高や関税を販売価格で回収できているか、新製品への投資がどの段階にあるかによって採算が変わる。さらに、大幅増益でも前年の特殊費用が減った効果なら、成長力そのものとは区別すべきだ。5社の差はどこから生まれたのか。売上規模では見えない利益の中身を追う。
【5社比較】デンソー・アイシンも減益、明暗はどこに?
以下は各社の全社連結業績であり、自動車部品事業だけの比較ではない。5社の中間決算を横並びにすると、全社が増収だった一方、営業利益は3社が減益、2社が増益となった。営業利益率にも差がある。連結数値から計算すると、デンソーは4.4%、アイシンは3.0%、ジェイテクトは3.7%、豊田自動織機は5.7%、トヨタ紡織は2.8%だった。デンソーは売上収益が前年同期比7.0%増の約3兆8,436億円、営業利益は19.5%減の約1,701億円。電動化・知能化分野の製品需要が拡大した一方、部品・材料費の上昇や将来成長への投資、一時費用が利益を圧迫したという。
アイシンも売上収益が7.3%増の2兆6,531億円、営業利益は16.3%減の804億円だった。パワートレインユニット全体の販売台数は3.8%減だが、HEV用と電動駆動装置「eAxle」を合わせた電動ユニットは39.5%増。電動ユニットは伸びたものの、全体の販売数量は減少。さらに資材価格の高騰や災害などに伴う一時費用が重なり、全社では減益となった。
シートや内装を手がけるトヨタ紡織は、売上収益が9.9%増の1兆683億円、営業利益は20.3%減の295億円。新製品の販売拡大が、そのまま全社の採算改善につながるわけではない。
一方、ジェイテクトは売上収益が4.4%増の9,707億円、営業利益は38.4%増の360億円だった。
豊田自動織機は売上高が20.6%増の2兆4,830億円、営業利益は280.2%増の1,426億円。ただし、自動車セグメントの営業利益率は2.2%であり、物流事業を含む全社の収益性と混同できない。 【次ページ】ジェイテクトはなぜ増益? 利益を残した「打ち手」とは
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