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- 2026/10/28 06:10 掲載
年収3000万でもキツい…ガチ富裕層がハマっている「クルマ趣味」がケタ違いすぎた
富裕層向けブランド体験の「物語」を紡ぐナラティブ・マーケティングをプロデュース。また、情報伝達を超えた行動を仕組化し、個の全盛時代において、ラグジュアリー市場での持続的成長を実現する知の「価値共創」戦略を構築する。プレミアムブランドの世界観を体現する戦略的プラットフォームの商品化を手がけ、ミシュラン・ガストロノミーから超高級ライフスタイルまで、文化的価値を経済価値に転換するマーケティング、ブランディングを専門とする。「to create a Real LIFE 敏腕マーケターが示唆するこれからの真の生き方とは」「Life is a Journey」「食と文化の交差点 ガストロノミーへの飽くなき情熱」「食彩探訪」「プレジデントオンライン」「saison luxury lounge」「PEAK Lounge」「PAVONE」などのメディア掲載・連載を通じて真のラグジュアリーとは「所有」ではなく「体験」であり、その体験に宿る物語こそがブランド価値の源泉である――という信念のもと、富裕層マーケティングの新境地を開拓し続けている。主要著書に『予測感性マーケティング』(幻冬舎)、『アフターコロナ時代のトラベルトランスフォーメーション』(ゴマブックス)、『GRAND MICHELIN ミシュラン調査員のことば[特別編集版]』(アンドエト)がある。
富裕層が熱狂する「ポルシェ改造」の贅沢
今、世界の富裕層が静かに熱狂している「贅沢」がある。古い名車に、現代の心臓を移植する「レストモッド」と呼ばれる趣味だ。レストモッド(restomod)という言葉は、restoration(復元)とmodification(改変)を溶接してつくった造語である。落ち着いて読むと、なかなか際どい。復元とは「元に戻すこと」で、改変とは「元に戻さないこと」だ。方向が真逆の二語を、平然とひとつの単語に押し込んでいる。美術品の修復士の前でこの言葉を発したら、おそらく椅子は勧めてもらえないだろう。
それでも自動車の世界でこの撞着語法が市民権を得たのは、クルマが「動くこと」を存在条件にしているからだ。額の中の絵は動かなくてよい。しかしガレージの奥で20年エンジンをかけられていない1973年製のポルシェ911は、厳密にはもうクルマではない。オブジェである。走らない名車は、誰も発音できなくなったラテン語に似ている。文法的には完璧だが、会話はできない。
レストモッドとは、その死語に現代の発音記号を振る作業だ。原典を尊重しつつ、読めるようにする。だから本質は改造ではなく、校訂に近い。そして校訂には必ず、「どこまで直し、どこを残すか」を決める人間が要る。話が面白くなるのは、いつもここからだ。 【次ページ】富裕層の間で起きる「お金の使い道論争」
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