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- 2023/06/12 掲載
ロボットのサービス化「RaaS」を徹底図解、人員50%削減? 大変革する5業界の最新動向
RaaSとは何か?
ロボティクス・アズ・ア・サービス(RaaS:Robotics as a Service)とは、ロボットを開発・提供するロボティクス企業が、必要なときに必要な分だけロボットを貸し出すサブスクリプション形式のサービスです。昨今では業界を問わず利用されています。ロボティクス企業にとっては、売り上げ予測を立てやすく、安定した収益を得られるというメリットがあります。一方、自動化ツールといったロボットの導入に前向きな企業にとっては、導入コストや、潜在的な保守・修理コストを低減させることができます。
RaaSは主に2つのビジネスモデルで成り立っています。それが下記のとおりです。
- 時間ベースのリース:時間ベースのロボットリースでは、顧客はロボティクス企業と特定の期間だけロボットのリース契約を締結します。
- タスクベースのリース:タスクベースのロボットリースでは、顧客はロボティクス企業とロボットのリース契約を締結し、ロボットが実行したタスクの数に基づいて、ロボティクス企業に料金を支払います。
【世界】RaaSの市場規模
下の図1は、2023年から2028年までの世界におけるRaaS市場の成長予測を示しています。MarketsandMarketsによると、RaaSの市場規模は2023年に18億米ドル(約2,531億円)に到達し、2028年には40億米ドル(約5,626億円)にまで達すると予測されています。年平均成長率(CAGR)で見ると、予測期間中では17.4%にもなります。
市場は成長の初期段階にあり、今後10年間で大きく成長する可能性を秘めています。ロボティクス企業はエコシステムを支援するため、ロボットソリューションとサービスに多額の投資を注いでいます。ロボットの利用がますます増えていく中で、顧客の抱えるリスクを低減しつつ、拡張可能なソリューションを提供するために、RaaSモデルの価値は高まっています。
RaaSの市場規模:業界別シェア
2023年のRaaS市場シェアを業界別で見ると、物流業が最大で、2028年までの予測期間中もその状態が続くと予想されます(図2)。詳しい業界別動向は後ほど解説します。倉庫では、オペレーターがピッキング、配置、および注文の履行をより効率的に行えるよう、自律移動ロボットやピッキングロボット、自律型フォークリフトを導入しており、作業プロセスがよりスマートになっています。多くのロボティクス企業はこれらのロボットを直接購入してもらうのではなく、RaaSを通じて柔軟な価格オプションを提供することで、倉庫業界の変革を支援しています。
【次ページ】【日本】RaaSの市場規模と市場動向
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