- 2026/01/13 掲載
「2024年に買っておけば…」2026年は住宅ローン金利が人生設計を台無しにする年に
なぜ固定金利は一気に上がったのか
2026年1月適用分の住宅ローン金利で、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクが10年固定をそろって引き上げた。報道によれば、三菱UFJの10年固定最優遇は前月比0.42ポイント上げて2.68%、三井住友は0.3ポイント上げて2.65%、みずほは0.25ポイント上げて2.55%とされた。固定の見直しが同時に進んだのは、各行が同じ市場指標を参照しているためだ。
住宅ローンの固定金利は、国債など長期金利の動きに連動しやすい。とりわけ10年固定は、10年国債利回りを基準に、銀行の調達コストや信用リスクを上乗せして決まる。
日銀が金融政策の正常化を進める局面では、短期の政策金利だけでなく、将来の金利見通しが長期金利に織り込まれやすい。実際、2025年12月の金融政策決定会合で日銀は政策金利を0.75%に引き上げ、同月には10年国債利回りが一時2.1%台に達した。
この長期金利上昇について、日銀自身も「将来の短期金利の見通しや物価動向が長期金利に反映される」と公式に説明している。銀行側から見れば、長期で金利を固定する住宅ローンを低水準のまま提供し続けると、資金調達と貸出の利ざやが縮小し、収益性だけでなく健全性にも影響が出かねない。
固定金利の引き上げは、個別行の強気判断というより、市場環境の変化を商品価格に反映させた結果と位置づけられる。
さらに背景には、海外金利の高止まりがある。米欧ではインフレ率が低下傾向にあるものの、中央銀行は「利下げを急がない」姿勢を崩していない。
こうした状況は、日本の債券市場にも影響を及ぼす可能性がある。財務省や日銀の資料でも、海外金利動向が国内長期金利に波及する経路が繰り返し言及されており、世界的な金融環境と切り離して日本の金利を語ることは難しい。
日銀の植田和男総裁は2026年1月上旬の講演で、「経済・物価が見通しに沿って推移すれば、金融緩和の度合いを調整していく」と述べた。これは将来の利上げを約束するものではないが、少なくとも市場が追加引き上げの可能性を織り込む材料にはなった。こうした公式発言や政策スタンスの積み重ねが、固定金利の水準に反映されている。
金利が上がると、同じ物件価格でも「買える範囲」は確実に縮む。たとえば借入4,000万円、返済期間35年、元利均等返済で金利が1%上がると、月々の返済額はおよそ2万円前後増え、総返済額では700万円前後の差が生じる。これは住宅金融支援機構のローン試算式からも導ける数字で、金利変動が家計に与える影響は小さくない。 【次ページ】変動が据え置かれても安心できない理由
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