• 2026/01/13 掲載

「2024年に買っておけば…」2026年は住宅ローン金利が人生設計を台無しにする年に(2/3)

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変動が据え置かれても安心できない理由

 今回の改定で注目されたのは、固定金利が引き上げられる一方、変動金利は3行とも据え置かれた点だ。三菱UFJ銀行では2026年1月時点の変動金利を年0.67%からとしている。主要メディアの報道では、住宅ローン利用者の約8割が変動金利を選んでいるとされ、銀行側も急激な変更には慎重にならざるを得ない事情がある。

 ただし、変動金利が据え置かれたことをもって、リスクが解消されたと考えるのは早計だ。変動金利は短期プライムレートなどを基準に設定されており、政策金利の引き上げが続けば、一定のタイムラグを経て上昇する仕組みになっている。日銀も公式資料で「短期金利の変更は、貸出金利に段階的に波及する」と説明している。

 また、金融庁が公表している金融機関向けの監督指針では、住宅ローン審査において将来の金利上昇を想定した返済能力の確認が求められている。これは、変動金利が低水準にとどまっている局面でも、銀行側が楽観的な前提だけで融資判断を行っていないことを意味する。固定金利が上昇する環境では、変動を選ぶ利用者に対しても、審査や説明が慎重になる可能性がある。

 変動の「安心」は、金利水準そのものではなく、家計の耐久力によって決まる。金融広報中央委員会の家計調査などを見ると、突発的な支出に対応できる金融資産を十分に持たない世帯も少なくない。金利上昇局面では、返済額の増加を吸収できる余力があるかどうかが、結果を大きく左右する。

三菱UFJとみずほ、数字に出る違いは何か?

 三菱UFJとみずほの違いは、意図や思想を断定するより、公開されている数字と商品設計から読み取るほうが適切だ。2026年1月時点の10年固定最優遇金利は三菱UFJが2.68%、みずほが2.55%と水準が異なる。三菱UFJは変動を低水準に抑えつつ、固定を大きく引き上げた。一方、みずほも固定を上げたが、上げ幅は相対的に小さい。

 この差は、各行の資金調達構造やリスク管理方針の違いで説明できる。固定金利は、金利変動リスクを銀行側が長期間抱える商品であり、ヘッジコストや自己資本規制の影響も受ける。金融庁のディスクロージャー資料でも、金利リスク管理が経営上の重要課題として位置づけられている。

 読者が注意すべきなのは、提示されている金利が最優遇条件である点だ。実際の適用金利は、頭金比率、年収に対する返済負担率、勤務先や勤続年数、団体信用生命保険の条件などで変わる。金融機関の公式説明でも、「広告金利と実際の適用金利が異なる場合がある」ことが明示されている。

 3メガバンクが同時に固定金利を引き上げた事実は、住宅ローン市場全体が長期金利上昇を前提に価格を見直したことを示す。特定行の独自判断というより、金融環境の変化が複数行の判断を同じ方向に押したと見るのが妥当だ。 【次ページ】後悔しないための購入判断を試算する
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