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  • 2023/05/15 掲載

なぜ、メルセデスベンツは「生成AI」を使う?期待できる効果が凄すぎる理由

【連載】現役サプライチェイナーが読み解く経済ニュース

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対話型AIの「ChatGPT」は、これまでの業務の在り方を大きく変える可能性があるかもしれません。実際に、日本政府も対話型AIの業務利用を検討するなど、大きなトレンドとなっています。このようにAIが世界を大きく騒がせている中、サプライチェーンマネジメント(SCM)の領域においてもAI活用はトレンドとなっています。今回は、サプライチェーンの効率化に向けAI活用に取り組むメセデスベンツ、BMW、P&Gの事例を解説します。

執筆:泉啓介(いずみ・けいすけ)

執筆:泉啓介(いずみ・けいすけ)

CSCP、CPIM。『全図解 メーカーの仕事』(ダイヤモンド社)の著者山口雄大、行本顕、小橋重信との4名によるグローバルSCM 推進ユニット「SCM4」で顧客サービスとコストのパートを担当。現在外資系化学メーカーに勤務。生産計画や需要予測、需給調整などサプライチェーンのプランニングに関わる業務に主に携わる。SCMの国際標準を策定する米ASCM/APICSのCPIM(在庫管理や需給調整に関する知識)とCSCP(サプライチェーン全般のマネジメントに関する知識)を取得。同団体認定インストラクター。APICSディクショナリーの翻訳メンバーにも第14版より参画している。最新版は『APICSディクショナリー第16版』(生産性出版、2020)。

■連載『現役サプライチェイナーたちが読む経済ニュース』について
本連載は、150社以上のSCM実務家と議論してきた経歴を持つ需要予測のプロフェッショナルである山口雄大氏、ロジスティクス専門のコンサルティングファームを経営する小橋重信氏、日系消費財メーカーの経営企画室に勤務し、グローバルSCMの世界標準を主導するASCM (Association for Supply Chain Management)の国際資格のインストラクターも務める行本顕氏、大手外資系メーカーでSCMを担当し、同じくAPICSの資格を保有する泉啓介氏による共同連載。需要予測、ロジスティクス、世界標準のSCMの世界観と整理軸、外資系のSCMといったそれぞれの専門分野の目線から経済ニュースを読み解く。

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メルセデスベンツ、BMW、P&GがどのようにAIを活用しサプライチェーンの効率化を図っているのだろうか
(Photo/Shutterstock.com)

SCM領域における生成AIの活用イメージ

 近年、AIに関するニュースを見ない日はありません。特に2022年11月にサービスが開始されたChatGPT(AIを利用した対話型の自動応答システム)のアクティブユーザー数が、サービス開始からわずか2カ月で1億人を超えたことは大きな話題となりました。

 ChatGPTなどのように、利用者の指示に従って文書や画像、プログラミングコードを生成してくれるAIは、“生成AI”と呼ばれており、従来のAIと比べて文脈や背景などを理解する能力が飛躍的に高まっているのが特徴です。そのため、業務の効率化に活用できることが期待されています。

 そうした生成AIのサプライチェーンマネジメント(SCM)分野での活用方法についてはどうでしょうか。

 グローバル展開する企業は、コストの上昇や需要の変動といった問題に取り組むためにサプライチェーンの透明性を高めたいと考えています。そこで、生成AIを活用することによって、さらにモノの流れの可視化をすすめ、世界中から収集されたデータを基に分析・予測し、意思決定を迅速に行うことで、サプライチェーンで何か問題が起こる前に課題を発見・解決する、といったことが期待されています。

 たとえば、トヨタやソニーなども含まれるフォーブス世界トップ公開企業2000社のうち、55%の企業に関係するサプライチェーンがAIによって2026年までに再構築されるという予測レポートもあります。具体的には、次のような活用方法が想定されています(注1)

(1)高度なデータ分析
発注や請求情報・出荷追跡情報・ニュース情報など、ERP・倉庫システム・一般公開されている情報などのさまざまなデータソースを組み合わせてデータ分析を行い、パターン特定や改善余地を提案する独自の洞察を作成することができます。
(2)ワークフローのボトルネックを解消
生成AIは要約機能が優れており、製品や材料に関するさまざまなトランザクション情報からロジスティクスの管理者・実行者向けの簡潔な要約を作成することができます。この情報を用いて業務に問題が発生することを防ぐ対応策を事前に事項することができます。
(3)トレーニングやサステナビリティ資料などのドキュメント作成のサポート
生成AIによってベストプラクティスを特定し包括的なドキュメントを作成することができるようになります。配送条件の更新や持続可能性についての管理方法を含むサプライヤー管理のガイドラインを作成したり、データの分析を行い新たなレポートを作成・自動化したりすることが可能となります。
(4)多国籍/多文化の環境でコミュニケーション促進をサポート
生成AIを用いることで、より理解しやすい形で翻訳された文書を作成することで、関係者間の情報伝達の早さやコラボレーションが向上し、より効率的な意思決定が可能となることが考えられます。

 ここからは、生成AIに限らず、SCM分野におけるAIの活用事例を見てきます。メルセデスベンツやBMW、P&GはどのようにAIを活用して、SCMを高度化しているのでしょうか。 【次ページ】SCM領域のAI活用事例(1):メルセデスベンツ

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