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  • 2024/08/28 掲載

ついに到来した自動運転社会、「無人タクシー」行き交う中国で見え始めた「新課題」

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すでに自動運転時代が始まっている中国。発売されている新エネルギー車の多くに自動運転機能が搭載され、3月には検索大手バイドゥが無人タクシーの正式営業を始めた。自動運転機能について各社が激しいスペック競争を繰り広げる中、テスラの運転支援システム「FSD」も中国でのリリースが決まっており、今後の競争激化が予想される。自動運転車が人々の生活に浸透しつつある中国で見え始めた新たな課題に迫る。
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すでに自動運転社会となっている中国で何が起きているのか? 写真は、2024年3月に正式営業を開始した百度(バイドゥ)の無人タクシー
(Photo:Sarunyu L/Shutterstock.com)

自動運転システム競争、次は「ファーウェイvsテスラ」

 中国では、現在発売されている新エネルギー車(NEV:New Energy Vehicle)の多くが、自動運転機能を搭載している。

 その中でも技術的な評価が高いファーウェイの運転支援システム「Huawei ADS 2.0」(Advanced Driving System)は、多くの自動車メディアが公道での検証を行い、95%以上の自動運転率を記録している。これは、100km走行するのに95km以上は運転操作を車に任せられるという意味だ(詳細なデータは後ほど紹介)。


 また、テスラのFSD(Full Self Driving)も中国でのリリースが決まっている。リリースの正確な時期は明かされていないものの、ファーウェイとテスラで激しい自動運転競争が展開されそうだ。

 その他のNEVメーカーも自社開発を中心にした自動運転システムを搭載している。

 その性能はメーカーによりさまざまだが、NEVは車両では利益を取らず、自動運転などのコンテンツサブスクリプションで利益を出すビジネスモデルになりつつあり、各社とも自動運転機能の性能向上にしのぎを削っている。

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各ブランドの自動運転機能の対応状況。中国のNEVメーカーは自動運転機能を競い合っている。近いうちに、ファーウェイのADSと同等かそれ以上と評価されているテスラのFSDが参入予定
(出典:各発表を整理)

 こうした自動運転システムは、5つのレベルに区分される自動運転のうち「レベル2+」に分類される。レベル2+とは、レベル2(特定条件下での自動運転機能)以上、レベル3(条件付き自動運転)未満を指し、自動運転中はハンドルから手を離してもかまわないが、あくまでも「人間が主体となり、いつでも運転に介入できるように監視しなければならない」ものである。

 そのため、「自動運転」という呼び方が誤解を招く可能性があるとして、最近では、NOA(Navigation on Autopilot:オートパイロットによるナビゲーション)あるいは、NCA(Navigation Cruise Assist:ナビゲーション走行アシスト)と呼ばれることが多くなっている。

バイドゥは「無人タクシー」サービスを正式営業開始

 レベル2+の乗用車が増えるとともに、レベル4(特定条件下での完全自動運転)の自動運転車も人々の生活に浸透しつつある。

 2024年3月、検索大手の百度(バイドゥ)は、以前から試験営業していたレベル4自動運転のロボタクシーサービス「萝卜快跑」(Luobo、ルオボ)の24時間正式営業を始めた。湖南省武漢市に一気に数百台を投入し、年末までには1000台規模の投入を計画しており、現在12都市でサービスを展開している。

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バイドゥは、武漢市など12都市で無人運転ロボタクシーサービスの営業を始めた。公式アプリやWeChatのアプリ内アプリ「ミニプログラム」で予約し、乗り込む地点に停車したロボタクシーに携帯電話番号を入力して利用する
(出典:萝卜快跑公式サイトより引用)

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武漢市でのロボタクシー営業エリア。レベル4自動運転であるため、条件の整っていない地域の走行はできず、市中心部に限られている
(出典:萝卜快跑ミニプログラムをキャプチャ)
 価格は「10kmで43元」とタクシーの30元前後から比べて割高だが、現在は「8割引」や「無料+洗濯石鹸プレゼント」などのキャンペーンを行っているため、予約が取れないほどの人気ぶりになっている。1日平均して1台あたり20件ほどの乗務をこなしているという。

 ロボタクシーは、運転席には誰も座っていない無人運転になる。予約をした人はドア上のタッチパネルに携帯電番号の下4桁を入力してドアを開け乗り込む。あとは、予約時に設定した場所に自動運転で走行していく。

 だが、システムが判断できずに立ち往生をしてしまうこともある。この場合、センターからリモート監視をしている監視員がリモート運転で車両を自動運転可能な状況に復帰をさせる。法令により、1人の監視員が担当できるのは最大3台までに制限されているが、バイドゥ関係者によると1人の監視員が20台程度のロボタクシーを担当しても安全はじゅうぶんに確保できるという。

 中国では、運転操作はすでにAIがやることで、人間のやることではなくなり始めているのだ。 【次ページ】自動運転機能を「4車比較」、最も性能が高かったのは…

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