- 会員限定
- 2025/05/17 掲載
史上最大の「銅鉱床」を発見、ゲイツやベゾス、三菱商事も出資する謎のAI企業とは
バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「リアルタイム・プロダクション」の実験的取り組みでVRコンテンツを制作、英語圏の視聴者向けに配信。YouTubeではVR動画単体で再生150万回以上を達成。最近購入したSony a7s3を活用した映像制作も実施中。
http://livit.media/
レアメタルなどをめぐる現状と課題、AIの可能性
クリーンエネルギーへの移行が世界的に加速する中、その実現に不可欠な鉱物資源の確保が喫緊の課題となっている。国際エネルギー機関(IEA)の報告によると、電気自動車は従来の自動車と比べて6倍もの鉱物資源を必要とし、陸上風力発電所の建設には、ガス火力発電所の9倍の鉱物資源が求められる。2010年以降、新規の発電設備に必要な鉱物量は再生可能エネルギーの市場シェア拡大に伴い50%増加している。この需要拡大を受け、2050年までに鉱物資源の消費量は現在の6倍に達し、市場規模は4,000億ドル規模まで拡大する見通しだ。しかし、この需要に応える上で、業界は複数の構造的な課題に直面している。リチウム、コバルト、レアアースといった重要鉱物の生産は、上位3カ国で全世界の3/4以上を占める地理的な偏在性が顕著だ。また、鉱脈の発見から生産開始までに平均16.5年もの期間を要することも大きな課題となっている。
こうした状況を打開する可能性を秘めているのが、人工知能(AI)だ。鉱業向けAI市場は、年率12.5%で成長を続け、2027年までに15億ドル規模に達する見込みだ。AIは、複雑な地質データを従来の手法よりも高速かつ正確に処理し、人間の目では見落としがちな微細なパターンや異常を検出。探査プロセスの効率化によるコスト削減を実現している。
Earth AIの創業者ローマン・テスリュクCEOが指摘するように、「鉱業における真のフロンティアは、地理的なものではなく、技術的なもの」。この認識は、業界全体のアプローチを根本から変えつつある。 【次ページ】Earth AI、過去50年分の探査データを活用し新鉱脈を発見
プロセス製造(素材・化学・食品・医薬品)のおすすめコンテンツ
PR
PR
PR