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- 2025/06/20 掲載
押上も日暮里も地味だが…なぜか「京成電鉄」儲かってる理由、利用者殺到の“ある区間”
連載:小林拓矢の鉄道トレンド最前線
1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学教育学部社会科社会科学専修卒。「東洋経済オンライン」「ITmedia」「マイナビニュース」などに執筆。Yahoo!ニュースエキスパート。単著に『京急 最新の凄い話』(KAWADE夢文庫)、『関東の私鉄沿線格差』(KAWADE夢新書)、『JR中央本線 知らなかった凄い話』(KAWADE夢文庫)など。共著に『関西の鉄道 関東の鉄道 勝ちはどっち?』(新田浩之氏との共著、KAWADE夢文庫)、首都圏鉄道路線研究会『沿線格差』『駅格差』(SB新書)などがある。
私鉄「ド定番」の稼ぎ方、成功してる鉄道会社は?
一般的に、関東圏の私鉄というのは、鉄道を中心としたさまざまな事業を展開し、その中で沿線住民を幸福にする、というビジネスモデルを採用している。沿線を豊かにすることで、鉄道会社が豊かになることを基本的な姿勢としている。そうしたことから、多くの私鉄は「選ばれる沿線」を標榜し、沿線に定住してもらうことを目指し、沿線の魅力発信などPR活動にも力を入れている。そうして住んでくれる人が増えれば、鉄道の利用者が増え、沿線周辺の商業施設の利用者が増え、土地の価格が上がり、高所得者が集まり、沿線内の消費額も増え、結果として鉄道会社の収益につながるというわけだ。
つまり、運営する沿線エリアの“豊かさ”こそ、鉄道会社の勝敗を分ける重要なポイントになるわけだ。
そうした視点から見ると、東京圏は地域格差がハッキリしている。ざっくりと言うと、西側が豊かであり、東側はそうではない。もっと言えば、都心部エリアを除き、現状、比較的所得の高い層が暮らしている(≒選ばれている)エリアは、「東急東横線」や「東急田園都市線」の沿線である。これは、鉄道会社の豊かさを演出する施策の結果とも言えるだろう。
東急東横線や東急田園都市線など、選ばれているエリアに共通する要素に、都心部へのアクセスの良さが挙げられるだろう。たとえば、両路線ともに、渋谷駅に直結し、地下鉄にも乗り入れる。東急目黒線は目黒で地下鉄と直通する。そのほか、多くの私鉄も山手線上の便利な駅(露骨に言えば、ポジションの高い駅)に直結し、そうでなくても地下鉄に相互直通し、都心部へのアクセス利便性を確保している。
このような沿線アクセスなども、鉄道会社の実力に関わるポイントになるのだ。さて問題は京成電鉄である。
京成電鉄の「超ハッキリしてる」弱点の数々
一般的に、企業の経営戦略として、強みを生かすというものがある。鉄道業界の場合だと、たとえば、JR東海は「東海道新幹線」という利用者の多い路線による圧倒的な収益である。一方、東京メトロの場合は、都心部の地下鉄という立地条件の良さが強みになっている。
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