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- 2025/09/03 掲載
日産・三菱自を「やはり圧倒」? ホンダ新型軽EVが「期待値大」と言えるワケ
連載:EV最前線~ビジネスと社会はどう変わるのか
1955年(昭和30年)生まれ。玉川大学工学部機械工学科流体工学研究室卒業。1978~81年フォーミュラレースに参戦、81年にFJ1600で優勝。84年からフリーランスライター。著書29冊。一般社団法人日本EVクラブ理事。NPOトリウム熔融塩国際フォーラム会員。日本モータースポーツ記者会会員。公益社団法人自動車技術会会員。自動車を含め環境やエネルギー問題に取り組む。

満を持して登場のホンダ新型「軽EV」
本田技研工業(以下、ホンダ)の新しい軽乗用電気自動車(EV)となるN‐ONEe:(エヌ・ワン・イー)が、先行公開された。発売は2025年秋の予定で、今月1日から先行予約の受付がはじまっている。ホンダの軽EVについては、N-VANe:(エヌ・バン・イー)が、2024年10月に発売されている。この車種は車名の通り、商用バンだ。背の高いワンボックスの車体で、配送用が主だが、個人的な用途にも使える車種を設けている。
今回発売となる新型のN-ONEe:は、軽自動車で人気のハイトワゴンという車格で、乗用専用EVである。競合はずばり、日産自動車(以下、日産)のサクラと三菱自動車(以下、三菱自)のeKクロスEVだ。
思い返される「あの人気モデル」
N-ONEe:の性能や価格について、詳細な情報はまだない。しかし、その概要は公開されている。まず、車体の基になるのは、ガソリンエンジンを搭載する軽乗用のN-ONEである。その車体の基本骨格を共用しながら、ボンネットフードやフロントグリル、リアハッチゲートなどをEV専用にしている。
エンジン車のN-ONEは、1967年に国内で発売され、爆発的人気を得た軽乗用のホンダN360を思い起こさせる外観が人気だ。その流れを受けながら、N-ONEe:はEVとして独自の顔つきを持つ。再利用の樹脂を使った黒っぽいグリルの厚みを生かしてボンネットフードがやや高い位置になり、それでも、N360で最大の特徴であった丸いヘッドライトの愛らしさは継承されている。
後ろ姿では、リアハッチゲートがやや丸みを帯びた形状となり、排出ガスもなく騒音も抑えた清楚なEVらしい、親しみを覚えさせるやさしい見栄えになっている。

室内は、ダッシュボードがEV専用となり、エンジン車のN‐ONEより簡素かつ明快になった。横へ水平に広がるダッシュボードにより、前方視界が開けるのは勿論、外観の特徴である高さのあるボンネットフードが先端までよく見え、クルマの前端を掴みやすくした。 【次ページ】痒い所に手が届く「さすがホンダ」の配慮とは
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