• 2025/11/26 掲載

なぜ今さら…? 三菱ミラージュを「惜しむ声」が続出のワケ、裏で起きた「3つの変化」

連載:米国の動向から読み解くビジネス羅針盤

会員(無料)になると、いいね!でマイページに保存できます。
三菱自動車のコンパクトカー「ミラージュ」は、米国における販売を在庫限りとしていたが、2025年いっぱいで終了の見込みだ。目立たないものの人気のあったミラージュは、2019年をピークに人気と販売が低迷。米国から撤退することになったわけだが、実はここにきて一部のファンから惜しむ声が高まっている。それはなぜなのか。米自動車市場で過去20年に起こった3つの根本的な変化を読み解き、人気低迷の理由とファンが惜しみ始めている理由を探る。
執筆:在米ジャーナリスト 岩田 太郎

在米ジャーナリスト 岩田 太郎

米NBCニュースの東京総局、読売新聞の英字新聞部、日経国際ニュースセンターなどで金融・経済報道の基礎を学ぶ。現在、米国の経済を広く深く分析した記事を『週刊エコノミスト』などの紙媒体に発表する一方、『Japan In-Depth』や『ZUU Online』など多チャンネルで配信されるウェブメディアにも寄稿する。海外大物の長時間インタビューも手掛けており、金融・マクロ経済・エネルギー・企業分析などの記事執筆と翻訳が得意分野。国際政治をはじめ、子育て・教育・司法・犯罪など社会の分析も幅広く提供する。「時代の流れを一歩先取りする分析」を心掛ける。

photo
なぜ米国で三菱自動車・ミラージュの販売終了が惜しまれているのか
(Photo:WE_Si/Shutterstock.com)

変化(1):新車価格が爆上がり

 なぜミラージュの引退が惜しまれるのか。それを理解するには、米国で新車価格の高騰が止まらない現象を理解する必要がある。

 まず、過去においてはクルマの値段の上昇は緩やかなものであった。図1のように、1990年から2011年のおよそ30年間に、新車平均価格は1万5,000ドル(約227万円)から2万5,000ドル(約378万円)へとゆっくり上がっていった。

画像
【画像付き記事全文はこちら】
図1:米国における新車の平均価格の推移。2012年から急激に上昇している
Cox AutomotiveおよびUS Department of Energyより編集部作成)

 ところが、翌2012年に新車平均価格は3万ドル(約450万円)を突破して急激に上昇し、過去5年間だけでも25%余りも値上がりした。ついに2025年9月には、5万ドル(約760万円)を超えてしまったのである。

 米自動車庁舎企業コックス・オートモーティブのエグゼクティブアナリストであるエリン・キーティング氏は発表文で、「2万ドルクラスの車はほとんど見かけなくなった」と指摘し、「現在の自動車市場は比較的裕福な層がけん引している」と解説。実際に、直近では、高価格のピックアップトラックやスポーツタイプ多目的車(SUV)の人気が高まっている。

 そうしたモデルでは、加速や馬力など性能の良さに加えて、さまざまな先進安全装置や高級インフォテイメントシステム、自動運転支援などが標準装備されることで、価格はさらにアップしている。

画像
次のページでは、米自動車市場で起こった3つの変化を読み解きつつ、ミラージュの人気低迷とファンが惜しむ理由を探る
【次ページ】売れなくなった「最大の理由」と「惜しむ声」が高まる理由
関連タグ タグをフォローすると最新情報が表示されます
あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

基本情報公開時のサンプル画像
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます

基本情報公開時のサンプル画像