• 2025/10/16 掲載

テスラやユニツリーへの勝算は?“大集結”で挑む「純国産ヒューマノイド」計画の全貌(3/3)

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テスラ筆頭に群雄割拠、世界のヒューマノイド市場

 米国に目を向けると、すでに3万ドル(約460万円)程度で一般販売を目指すテスラの「Oputimus」を筆頭に、BMWと提携するフィギュアAI、メルセデスベンツやグーグル系のAI企業DeepMindと提携するアプトロニック、アマゾンと提携するアジリティロボティクス、エヌビディアが出資するサンクチュアリAI、サムスン、マイクロソフト、OpenAIが出資する1X テクノロジーズ、現代傘下となったボストンダイナミクスなどの企業が、実際に製造や物流の現場で人と協業するロボット(コボット)を導入している。


 特にOputimusはAGIを備え、家庭内のさまざまな業務をこなせるマルチタスクのSDRとして開発されており、“スーパーヒューマン”として人が行う業務を置き換えられる存在になる可能性もある。

 今後のヒューマノイド市場は急速な成長が予測されており、調査会社によって数字にばらつきはあるものの、おおむね年平均成長率(CAGR)は30%以上と予測されている。このうちハードウェアによる売り上げがヒューマノイド全体の7割以上を占めるという予測もあり、信頼性のある高性能ハードウェアを作り上げることには大きな意義があるだろう。

 また、米国で話題を集めるヒューマノイドスタートアップの多くが自動車企業と提携していることにも注目したい。

 AGIの開発およびSDRは、今後のEVの主流となるSDV(ソフトウェア定義車両)や自動運転にも関連する。ヒューマノイドと車、それぞれからデータを得て、それをAIソフトウェアの精度を高めるために利用するというサイクルにより、ヒューマノイドと自動運転の双方がより正確性を持つものに成長する。

日本の技術復権なるか?“必須条件”はズバリ……

 日本ではようやくトヨタの実験都市「Toyota Woven City(トヨタウーブンシティ)」が実証に入った段階であり、AIソフトウェアとそれを社会実装する観点からはまだまだ大きな後れを取っている。

 自動運転に関わるOSについても現在複数の企業が開発に取り組んでいるが、オープンソースで実装を行うエヌビディアのIsaacプラットフォームが現在のスマホ用OSのように寡占状態となる可能性もある。

 かつては二足歩行ロボットで世界の最先端だった日本の技術、さらに時計用の軸受けなど日本が開発し世界がそれを取り入れた技術は数多い。そうした技術を再び取り戻し、今後の世界最先端に磨き上げることは可能なのか。繰り返しになるが、業界の枠組みを超えた協力体制が築けない限り、その道のりは険しいと言えるだろう。

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