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  • 2026/09/17 06:50 掲載

なぜ、国産AIロボ企業「ugo」の開発速度はスゴイ?秘密は…7年磨き続けた“ある技術”

連載:デジタル産業構造論

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海外勢が巨額の資金を投じ、ヒューマノイドロボットの開発競争が過熱している。その中で、日本のあるスタートアップが異様な速度で製品を出し続けていることは、あまり知られていない。その会社の名は、2018年に設立されたugo(ユーゴー)だ。警備ロボット、点検ロボット、模倣学習キット、クラウド管理基盤、そして国産4脚ロボットの開発。すべてを自社で手がけ、すでに数百台が現場で稼働している。潤沢な資金力を持つ大企業ではない同社が、なぜこれを実現できるのか。同社が7年間、事業にならないまま抱え続けた"ある技術"に、その答えがある。
執筆:法政大学 デザイン工学部システムデザイン学科 准教授 小宮 昌人

法政大学 デザイン工学部システムデザイン学科 准教授 小宮 昌人

法政大学 デザイン工学部システムデザイン学科 准教授 / d-strategy,inc / Third Ecosystem,inc / Inclusive AI,inc 代表取締役CEO

 野村総合研究所、産業革新投資機構JIC-VGIなどを経て現職。法政大学 デザイン工学部 システムデザイン学科 准教授として、産業価値デザイン研究室にて生成AI・AIエージェントや、フィジカルAI・AIロボット、データスペースなどデジタル技術・先端技術をビジネスや社会の価値へ転換するための手法論の教育・研究を実施。

 戦略・DX支援企業のd-strategy,inc(企業のAI変革、DX戦略、デジタルソリューション戦略)を創業し代表取締役として、フィジカルAI、AIエージェントをはじめとするデジタル化・自動化・技術変化の中での企業やスタートアップのDX/ソリューション・イノベーション戦略を支援。

 また、グローバルでのスタートアップエコシステム連携プラットフォームのThird Ecosystem,incの代表取締役CEOとして海外・国内のスタートアップエコシステム(VC/CVC/企業/大学/政府機関/スタートアップ)の連携・活性化、スタートアップ企業やエコシステム企業の海外展開支援や、海外スタートアップの日本展開に取り組む。

 Inclusive AI,incにおいて盲ろう者(目が見えない・見えづらく、耳が聞こえない・聞こえづらい)、視覚障害者、高齢者等向けのAIエージェントなどのAIサービス開発を実施。「制約のある方を含めすべての方が前向きに活き活きと暮らし、学び、挑戦できる世の中」をAIエージェントやフィジカルAIを通じて実現していくことを目指す。

 最新刊として『フィジカルAI進化論~自律するロボットとともに作る産業の未来~』(SBクリエイティブ)を26年10月1日に出版予定。

 その他、近著に『生成DX~生成AIが生んだ新たなビジネスモデル~』(SBクリエイティブ)、『メタ産業革命~メタバース×デジタルツインでビジネスが変わる~』(日経BP)、 『製造業プラットフォーム戦略』(日経BP)、『日本型プラットフォームビジネス』(日本経済新聞出版社)があり、ビジネス+IT連載『デジタル産業構造論』、MONOist等にてWebメディア連載。

 youtubeチャンネル『フィジカルAI時代の産業論 (d-strategy / Third Ecosystem 小宮昌人)』 @dstrategyinc にて生成AIをはじめ産業のデジタル化を解説

なぜ、国産AIロボ企業「ugo」の開発速度はスゴイ?秘密は…7年磨き続けた“ある技術”の画像
国産フィジカルAI企業「ugo」とは何者なのか…?
(出典:PR TIMES)
本記事は、ugo 代表取締役 松井健 氏に取材した内容を基に、執筆者である小宮昌人氏が内容を整理・考察したものです。

国産ヒューマノイド「ugo」が狙う…ある市場

 ugo(旧社名:Mira Robotics、2021年4月まで)の設立は2018年。当時はまだ、高度な自律制御を行うAI技術が実用段階に達していなかった。そのため初期のアプローチは完全自動化ではなく、人間が遠隔地から操作する「アバターロボット(遠隔操作ロボット)」としてのスタートだった。
photo
ugo
代表取締役
松井健 氏

 初代機は、人間の腕に相当する「双腕(2本のアーム)」を備えたセミヒューマノイドタイプ。移動部には、安定性と効率性を両立する「車輪型移動機構(カート型)」を採用し、さらに胴体が上下に動く独自の「昇降リフター機能」を搭載していた。

 この昇降機能には、明確な狙いがあった。当初ugoが目指していたのは、「遠隔操作による家事代行サービス」だったのだ。

 家事代行を1台のロボットで成立させるには、床のゴミを拾う・床を掃除するといった「極めて低い位置へのアクセス」と、物干し竿に洗濯物を干すといった「高い位置へのアクセス」の双方が要る。この相反する要求をクリアする設計思想として、スライド式の上下昇降機構が導き出された。腕を人間と同じ「双腕型」にしたのも、遠隔操作時の作業効率を最大化するためである。

 転機となったのが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックだ。現場のエッセンシャルワーカーが出勤できない事態が頻発し、サービス提供会社や施設管理会社は、非接触・非対面で事業を維持しなければならない厳しい状況に立たされた。

 ここで急増したのが、遠隔操作だけでなく「業務そのものの自動化(ルーティン化)」を求める引き合いだった。

画像
ロボットによる設備警備の効率化のイメージ
(出典:ugo)

 ugoはこのニーズに応え、遠隔操作ロボットをベースにしつつ、定型業務をルールベース(あらかじめプログラムした条件分岐や走行ルート)で自動化・ルーティン化するアプローチへと急速に拡張する。

 そして事業の方向性を、一般家庭向けの家事代行から、BtoBの「警備業務」へと大きくシフトさせた。ビルや商業施設での巡回業務の自動化、定点で不審者を監視・警戒する立哨業務の自動化を実現し、市場での導入実績を積み上げていったのだ。
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 この警備業務において、ugoのロボットのヒューマノイド型のデザインは、心理的な防犯効果(抑止力)として非常に大きな役割を果たす。

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