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- 2024/05/10 掲載
個人向けはダメでもこっちは順調、日立ら健闘中の「商用EV」日本で普及するための条件
京大発スタートアップは2トントラックEVで勝負
3月30日、東京ビッグサイトにおいて「E-Tokyo Festival 2024」というイベントが開催された。これは、電気自動車のF1と言われる「フォーミュラE」の日本初の大会が有明で開催されたことと、EVの可能性を探ることを合わせて行われたイベントだ。さまざまなEVデザインの展示、出張型充電サービスや充電ステーションの紹介などが行われたが、その中で目立っていたのが、日本のEVスタートアップ「フォロフライ」による新型のEV 2トントラックの発表だった。
フォロフライは京都大学発のスタートアップ企業で、EVスーパーカーの開発からファブレス(工場は持たずに製品の企画や設計のみ行う)形式によるEV商用車の開発販売を行う。現在は「F1」(エフワン)シリーズという1トンのトラック、バンを日本国内の企業に販売しており、徐々にその台数が増加している。
今回の2トントラック「F2」(エフツー)の発表は、「日本で商用トラックとして最もよく使われているサイズであること」「これまでのラストワンマイル需要に加え、中長距離にも対応できること」を目指して開発された。
「1.5~2.5トンの積載量に対応する車両は、日本市場で大きな需要がありますが、選択できるEV車両が少なく、価格もガソリン車に対して非常に高価なため、EV化に踏み切りたい企業にとって大きな障壁となっていました。F2は今後、脱炭素化を計画する企業を招待する試乗検討会を重ね、自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)などの高い安全機能や、日本市場のユーザーの要望に対応した新機能を追加開発し、2025年中の量産開始を予定しています。また、個別の企業のニーズに対応した特別仕様モデルの共同開発にも取り組んで参ります」
従来型ファブレスで目立つほころび、「ファブレス2.0」はどう進化?
自社で製造工場を持たず、開発設計のみを行い車体製造は外注する「ファブレス」は、当初は脚光を浴びたが、現在はそのほころびが目立つ。ファブレス方式でEV参入を目指していた米アップルはEV事業からの撤退を表明、同じくファブレスで車を開発していた米フィスカーは現在経営破綻の危機に直面している。
その理由について、小間氏は「当初のファブレスは『ファブレス1.0』とも呼べるもので、自社の車のみの外注生産を行っていました。その場合、企業にとってコスト減とはならず、受注側も特定企業向けに車を作るため、割高なものとなっていました」という。 【次ページ】「ファブレス2.0」とは? ファブレスはこう進化する
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