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  • 2026/06/30 06:50 掲載

【完全解説】ビル管理が激変…?三菱地所「AIエージェント・フィジカルAI」最強活用術

連載:デジタル産業構造論

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少子高齢化による労働力不足が深刻化する中、社会インフラである「建物管理」をいかに維持・高度化するかは、日本の産業全体にとって喫緊の課題となっている。こうした中、丸の内エリアを中心に多くの不動産アセットを保有する三菱地所は、業界に先駆けてテクノロジーの社会実装を進めてきた。今回は、同社が2017年頃から進めてきたロボット活用を起点に、AIによる映像解析やIoTを活用した予兆保全、さらには次世代の「フィジカルAI」と都市データ基盤(ビルOS・都市OS)に至るまで、その取り組みの全体像を徹底解説する。
執筆:法政大学 デザイン工学部システムデザイン学科 准教授 小宮 昌人

法政大学 デザイン工学部システムデザイン学科 准教授 小宮 昌人

法政大学 デザイン工学部システムデザイン学科 准教授 / d-strategy,inc / Third Ecosystem,inc / Inclusive AI,inc 代表取締役CEO

 野村総合研究所、産業革新投資機構JIC-VGIなどを経て現職。法政大学 デザイン工学部 システムデザイン学科 准教授として、産業価値デザイン研究室にて生成AI・AIエージェントや、フィジカルAI・AIロボット、データスペースなどデジタル技術・先端技術をビジネスや社会の価値へ転換するための手法論の教育・研究を実施。

 戦略・DX支援企業のd-strategy,inc(企業のAI変革、DX戦略、デジタルソリューション戦略)を創業し代表取締役として、フィジカルAI、AIエージェントをはじめとするデジタル化・自動化・技術変化の中での企業やスタートアップのDX/ソリューション・イノベーション戦略を支援。

 また、グローバルでのスタートアップエコシステム連携プラットフォームのThird Ecosystem,incの代表取締役CEOとして海外・国内のスタートアップエコシステム(VC/CVC/企業/大学/政府機関/スタートアップ)の連携・活性化、スタートアップ企業やエコシステム企業の海外展開支援や、海外スタートアップの日本展開に取り組む。

 Inclusive AI,incにおいて盲ろう者(目が見えない・見えづらく、耳が聞こえない・聞こえづらい)、視覚障害者、高齢者等向けのAIエージェントなどのAIサービス開発を実施。「制約のある方を含めすべての方が前向きに活き活きと暮らし、学び、挑戦できる世の中」をAIエージェントやフィジカルAIを通じて実現していくことを目指す。

 最新刊として『フィジカルAI進化論~自律するロボットとともに作る産業の未来~』(SBクリエイティブ)を26年10月1日に出版予定。

 その他、近著に『生成DX~生成AIが生んだ新たなビジネスモデル~』(SBクリエイティブ)、『メタ産業革命~メタバース×デジタルツインでビジネスが変わる~』(日経BP)、 『製造業プラットフォーム戦略』(日経BP)、『日本型プラットフォームビジネス』(日本経済新聞出版社)があり、ビジネス+IT連載『デジタル産業構造論』、MONOist等にてWebメディア連載。

 youtubeチャンネル『フィジカルAI時代の産業論 (d-strategy / Third Ecosystem 小宮昌人)』 @dstrategyinc にて生成AIをはじめ産業のデジタル化を解説

【完全解説】ビル管理が激変…?三菱地所「AIエージェント・フィジカルAI」最強活用術の画像
三菱地所の凄すぎる「AI活用術」とは? (記事後半で詳しく解説します)

何が他社と違う…? 三菱地所「DX戦略の思想」の特徴

 三菱地所では、全社的に新技術の導入や施設運営管理の高度化・省人化・エネルギー最適化などに向けた検討を推進している。
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【関連記事】500人の工場が5人に…?エヌビディアら牽引「フィジカルAI」の想像以上の実力を超解説

 同社の最大の強みは、「自らが施設運営の現場(Gemba:ゲンバ)を持っている」ことにある。

 たとえば、2019年にソフトバンクロボティクスの清掃ロボット『Whiz(ウィズ)』を導入する際には、自社物件にて1週間の実証実験を行い、省人化の効果や導入に向けた最適な利用箇所などについて検証。その後、同社グループが所有または運営管理する全国のオフィスビル・商業施設・物流施設・空港・ホテル・マンションに展開した。こうした現場起点の姿勢が、同社の取り組みの大きな特徴である。

 そんな同社の根幹にあるのは、「インフラの共通化」と「アプリケーション層の柔軟な設計」という明確な思想である。

 たとえば、丸の内エリアにおいて同社が集中的に保有するビルやデータセンターを、専用の光ファイバーで接続し、セキュアでスケーラビリティの高い自前のネットワーク基盤を構築している。この基盤が各種システムやアプリケーションを支える強力な土台となっている。

 さらに、各システムから得られる膨大なデータを部署横断で活用するため、データレイクへの集約も開始している。現場から得られる各種設備データ、施設収益や施設稼働状況といった事業データなどを統合・可視化し、ダッシュボードとして活用することで、施設運営管理の高度化やデータに基づく意思決定を行える仕組みを目指している。
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三菱地所「ロボット導入」の成功と失敗、現在の“最適解”とは

 同社のロボット領域への本格的な取り組みは、2018年頃にさかのぼる。将来的なスキルワーカーの不足と人件費の高騰を見据え、他社に先駆けて清掃・警備・運搬といった領域でのロボット導入を進めてきた。

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