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  • 2026/06/30 掲載

【完全解説】ビル管理が激変…?三菱地所「AIエージェント・フィジカルAI」最強活用術

連載:デジタル産業構造論

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少子高齢化による労働力不足が深刻化する中、社会インフラである「建物管理」をいかに維持・高度化するかは、日本の産業全体にとって喫緊の課題となっている。こうした中、丸の内エリアを中心に多くの不動産アセットを保有する三菱地所は、業界に先駆けてテクノロジーの社会実装を進めてきた。今回は、同社が2017年頃から進めてきたロボット活用を起点に、AIによる映像解析やIoTを活用した予兆保全、さらには次世代の「フィジカルAI」と都市データ基盤(ビルOS・都市OS)に至るまで、その取り組みの全体像を徹底解説する。
執筆:法政大学 デザイン工学部システムデザイン学科 准教授 小宮 昌人

法政大学 デザイン工学部システムデザイン学科 准教授 小宮 昌人

法政大学 デザイン工学部システムデザイン学科 准教授 / d-strategy,inc / Third Ecosystem,inc / Inclusive AI,inc 代表取締役CEO

 日立製作所、デロイトトーマツコンサルティング、野村総合研究所、産業革新投資機構 JIC-ベンチャーグロースインベストメンツを経て現職。2024年4月より東京国際大学データサイエンス研究所の特任准教授としてサプライチェーン×データサイエンスの教育・研究に従事。加えて、株式会社d-strategy,inc代表取締役CEOとして下記の企業支援を実施(https://dstrategyinc.com/)。

(1)企業のDX・ソリューション戦略・新規事業支援
(2)スタートアップの経営・事業戦略・事業開発支援
(3)大企業・CVCのオープンイノベーション・スタートアップ連携支援
(4)コンサルティングファーム・ソリューション会社向け後方支援

 専門は生成AIを用いた経営変革(Generative DX戦略)、デジタル技術を活用したビジネスモデル変革(プラットフォーム・リカーリング・ソリューションビジネスなど)、デザイン思考を用いた事業創出(社会課題起点)、インダストリー4.0・製造業IoT/DX、産業DX(建設・物流・農業など)、次世代モビリティ(空飛ぶクルマ、自動運転など)、スマートシティ・スーパーシティ、サステナビリティ(インダストリー5.0)、データ共有ネットワーク(IDSA、GAIA-X、Catena-Xなど)、ロボティクス・ロボットSIer、デジタルツイン・産業メタバース、エコシステムマネジメント、イノベーション創出・スタートアップ連携、ルール形成・標準化、デジタル地方事業創生など。

 近著に『メタ産業革命~メタバース×デジタルツインでビジネスが変わる~』(日経BP)、『製造業プラットフォーム戦略』(日経BP)、『日本型プラットフォームビジネス』(日本経済新聞出版社/共著)。経済産業省『サプライチェーン強靭化・高度化を通じた、我が国とASEAN一体となった成長の実現研究会』委員(2022)、経済産業省『デジタル時代のグローバルサプライチェーン高度化研究会/グローバルサプライチェーンデータ共有・連携WG』委員(2022)、Webメディア ビジネス+ITでの連載『デジタル産業構造論』(月1回)、日経産業新聞連載『戦略フォーサイト ものづくりDX』(2022年2月-3月)など。

【問い合わせ:masahito.komiya@dstrategyinc.com】

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三菱地所の凄すぎる「AI活用術」とは? (記事後半で詳しく解説します)

何が他社と違う…? 三菱地所「DX戦略の思想」の特徴

 三菱地所では、全社的に新技術の導入や施設運営管理の高度化・省人化・エネルギー最適化などに向けた検討を推進している。
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【関連記事】500人の工場が5人に…?エヌビディアら牽引「フィジカルAI」の想像以上の実力を超解説

 同社の最大の強みは、「自らが施設運営の現場(Gemba:ゲンバ)を持っている」ことにある。

 たとえば、2019年にソフトバンクロボティクスの清掃ロボット『Whiz(ウィズ)』を導入する際には、自社物件にて1週間の実証実験を行い、省人化の効果や導入に向けた最適な利用箇所などについて検証。その後、同社グループが所有または運営管理する全国のオフィスビル・商業施設・物流施設・空港・ホテル・マンションに展開した。こうした現場起点の姿勢が、同社の取り組みの大きな特徴である。

 そんな同社の根幹にあるのは、「インフラの共通化」と「アプリケーション層の柔軟な設計」という明確な思想である。

 たとえば、丸の内エリアにおいて同社が集中的に保有するビルやデータセンターを、専用の光ファイバーで接続し、セキュアでスケーラビリティの高い自前のネットワーク基盤を構築している。この基盤が各種システムやアプリケーションを支える強力な土台となっている。

 さらに、各システムから得られる膨大なデータを部署横断で活用するため、データレイクへの集約も開始している。現場から得られる各種設備データ、施設収益や施設稼働状況といった事業データなどを統合・可視化し、ダッシュボードとして活用することで、施設運営管理の高度化やデータに基づく意思決定を行える仕組みを目指している。
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三菱地所「ロボット導入」の成功と失敗、現在の“最適解”とは

 同社のロボット領域への本格的な取り組みは、2018年頃にさかのぼる。将来的なスキルワーカーの不足と人件費の高騰を見据え、他社に先駆けて清掃・警備・運搬といった領域でのロボット導入を進めてきた。

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