- 2026/09/02 12:55 掲載
中国AIチップ「五小虎」最後の1社、エンフレームがIPO──約1,450億円調達へ
同社は2024年8月にIPOの事前指導を開始し、2026年1月に上海証券取引所が申請を受理。6月15日に同取引所の上場審査委員会を通過した。その後、中国証券監督管理委員会が7月9日、IPO登録申請を正式に承認していた。
エンフレームは2018年設立。クラウド向けAIチップを軸に、AIアクセラレーターやモジュール、AI計算システム、計算クラスターなどを展開している。ソフトウェアでは、ドライバやコンパイラ、演算ライブラリ、ツールチェーンなどで構成するAI計算・プログラミング基盤「TopsRider」を自社開発している。CUDAを中心に巨大なソフトウェアエコシステムを持つ米エヌビディアとは異なる独自基盤を構築している形だ。
今回調達する資金は、次世代AIチップへの投資が中心となる。会社側によると、第5世代AIチップの研究開発・産業化に15.03億元(約356億円)、第6世代に11.97億元(約284億円)、先進AIのハードウェアとソフトウェアの協調開発に33億元(約782億円)を投じる計画だ。新しいチップだけでなく、ソフトウェアや大規模なAI計算基盤まで含めて競争力を高める方針である。
売り上げは急速に拡大している。2026年1~6月の売上高は11.20億元(約265億円)となり、すでに2025年通期の9.90億元(約235億円)を上回った。一方、2026年上期の親会社株主に帰属する純損失は6.32億元(約150億円)で、依然として赤字が続く。会社側は9月1日の投資家向け説明で、供給網のコストや製品の利益率、製品納入が計画どおり進むかによって、連結ベースの黒字化は2026年または2027年になるとの見通しを示している。
もう1つの特徴がテンセントとの関係だ。テンセントと一致行動者はIPO前に計20.26%を保有する主要株主であると同時に、最大顧客でもある。2025年にはテンセント向けの直接販売などがエンフレームの売上高の83.79%を占めた。今回の戦略配当でもテンセント傘下の投資会社が約2.48億元(約59億円)を投じるほか、シャオミやZTE、ギガデバイスなども参加した。
エンフレームにとってIPOは巨額の研究開発費を確保する手段になる一方、今後は売り上げの拡大を継続しながら、顧客の多様化と収益改善を同時に進められるかが焦点となる。
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