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  • 2024/08/30 掲載

世界最先端フィンテックイベントで判明、生成AI登場で変化した「銀行員のスキルセット」

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この6月、ロンドンで金融業界におけるテクノロジーの最前線を探るイベント「Fintech Week London 2024」が開催された。ロンドンといえばイノベーションを促進する「規制のサンドボックス」やスタートアップ支援、エコシステムにおいて先進的な地域だが、どのような取り組みが推進されているのか? イベントで明らかになった生成AI活用の実態や、銀行員のスキルセットの変化、イノベーション都市ロンドンでのエコシステムについて解説する。
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フィンテック先進国英国では何が語られているのか?
(出典:NTTコミュニケーションズ撮影)

Fintech Week London 2024とは?

 Fintech Week Londonは、2023年の世界のフィンテック イベントBest10(6位)にも選出されるなど、金融業界におけるテクノロジーの最前線を探る一大イベントと位置づけられている。

 同イベントでは、フィンテック業界をリードする有識者400名以上が参加、60名以上の登壇者が講演し、生成AI、ESG、Web3、メタバース、インシュアテック、データリスクなど、多岐にわたるテーマで講演や議論がなされた。

 また、世界90カ国2万5000人以上が集まり350人以上の登壇者が講演するLondon Tech Weekや、フィンテック企業の成長を支援するイベント「Fintech Fringe」とも提携、ネットワーキングや知識の共有を促進する場が設けられた。

 カンファレンスには、スピードネットワーキングやパネルディスカッションなど、講演者との距離が近いインタラクティブな環境の場が多く用意されており、参加者同士の交流を促す仕組みが用意されているのが特徴だ。

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Fintech Week London
(出典:Fintech Week London

すでに金融機関の8割が活用する生成AI

 Fintech Week London2024においても、金融分野での生成AIが大きな注目を浴びた。

 IBM Institute for Business Valueにて金融マーケットのGlobal Researchをリードするパオロ・シローニ (Paolo Sironi)氏は「金融サービスにおけるAI」というテーマでリサーチ内容を紹介した。調査ではすでに金融機関のうち約8割(78%)が戦略的に生成AIを何かしら活用しているという。

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Paolo Sironi氏
(出典:NTTコミュニケーションズ撮影)

 一方、約6割の金融機関が生成AIに関するリスク管理しようとしており、中でもデータ保護などを強化している。60%以上の銀行頭取は、生成AIの生み出す答えの正確性や法的にグレーな部分を懸念している結果も取り上げるなど、必ずしもポジティブな評価だけではない。

 金融機関では、生成AIを戦略的に活用したいという流れがある一方で、生成AIのリスク管理において、データ保護や法的な不確実性への対策が重要視されており、以下の順で生成AIを導入したいという意向があるようだ。
  1. リスク&コンプライアンス分野(32%)
  2. 顧客管理(26%)
  3. IT開発(24%)
  4. 他のサポート分野(18%)
 金融業界は厳格な規制と法的義務を持ち、違反時の罰則が大きいため、リスク&コンプライアンス分野での優先順位が高い。生成AIは膨大なデータ解析を通じて、不正行為の早期発見や規制遵守を支援する機能を持つため、リスク管理の自動化と高度化が可能となり、生成AIの導入が優先されると考えられる。 【次ページ】生成AI登場で変化「銀行員のスキルセット」

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