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- 2025/11/21 掲載
強者・楽天経済圏を猛追……JR東日本「Suica経済圏」の実力が想像以上だった理由
連載:デジタル個人金融最前線(第8回)
株式会社マリブジャパン代表取締役。日本金融学会会員。三菱銀行、シティグループ証券、シティバンクで、主に銀行クレジットアナリスト、富裕層向け資産運用アドバイザーとして活躍。その後、独立。著書に『銀行ゼロ時代』(朝日新書)、『人生100 年時代の銀行シニアビジネス事例』(近代セールス社)、『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』(講談社+α新書)など。
・講義
12月12日(金)に「勝者は誰に? 3メガバンク・4大通信キャリア・異業種勢の『金融サービス競争』完全解説の2時間」
・講師
著者 マリブジャパン 代表取締役 高橋克英氏
好調「JRE BANK」が…JR東日本に与える“プラスの影響”
2024年5月にJR東日本グループが開始したデジタル金融サービス「JRE BANK」は、開始以来、順調に成長している。同サービスは、アプリやWebサイトから口座開設や振込、定期預金、住宅ローンなど銀行サービスが利用可能だけでなく、鉄道会社ならではの特典やキャンペーンの魅力もある。そうしたことから、口座開設の申込みが殺到し、一時受付を制限するほどの人気化したのは記憶に新しい。足元の獲得口座数は未公表ながら、2025年2月末時点では約50万口座に到達しており、当初目標100万口座獲得に向けてその後も順調に推移しているようだ。
また、JRE BANK誕生により、既存サービスとのクロスユース化(複数サービスの併用)も進んでおり、銀行サービス開始4カ月で、JRE POINT会員が4.4万人増加、ビューカード会員も4.4万人増加、モバイルSuica会員も2万人増加するなどSuica経済圏の拡大にも貢献しているようだ。
JRE BANKの主な特典サービスには、(1)割引券1枚でJR東日本営業路線内の片道運賃・片道料金を4割引で提供(最大年10枚)、(2)「どこかにビューーン!」(通常6,000ポイント)を4,000ポイントで提供(最大年12枚)、(3)無料の普通列車グリーン券(Suicaグリーン券)を提供(最大年4枚)の3大特典に加え、JR東日本グループホテル宿泊料金の最大20%割引やルミネカード年会費相当額(1,048円)の還元など、条件に応じてさまざまな特典を得ることができる。
なぜ今、JR東日本はネット銀行「JRE BANK」を開設した?
JRE BANKを開設したJR東日本の狙いはどこにあるのだろうか。JR東日本グループの経営ビジョン「変革2027」によれば、今後の経営環境の変化として(1)人口減少と(2)鉄道による移動ニーズ減少を挙げている。
鉄道を中心とした輸送サービス事業から、生活サービス事業と、IT・Suica事業に経営資源を重点投入することで、鉄道事業と非鉄道事業との割合を現状の7:3から6:4にシフトしようとしているのだ。
JR東日本では、銀行を持つことでJRE POINTやSuicaの魅力が高まり、(1)鉄道やホテルの利用や駅ナカ消費の拡大、(2)顧客マーケティングへの活用などにより、グループ全体の収益の多様化と拡大を目指している。
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