• 2026/08/12 06:50 掲載

【体験】ベンツ新時代の到来…ChatGPTやGeminiも搭載「次世代の車」が想像を超えた(2/2)

連載:桃田健史のSDVトレンド最前線

会員(無料)になると、いいね!でマイページに保存できます。

【電動化】徹底的にこだわった「効率性能」の中身

 2つ目の電動化については、電動パワートレインシステム開発担当のアレクサンダー・アスパッパー氏に話を聞いた。

 大きな特徴は、800ボルトアーキテクチャの採用だ。EVの場合、主駆動は後輪で2速トランスミッションを備えた電動ドライブユニット。バッテリーパックは床下に配置する。

画像
新型CLAのシャシー。床下に大容量のバッテリーパックを搭載し、低い重心と車内空間の確保を図っている
(筆者撮影)

 一方、ICEは前輪駆動で、排気量1.5リットルターボのM252型エンジンで最大出力・最大トルクで100キロワット/200ニュートンメートルと140キロワット/300ニュートンメートルの2つの仕様がある。これに最高出力22キロワットのモーターをトリプルクラッチで駆動する48ボルトハイブリッドシステムを組み合わせた。

 その上で「効率性能に徹底的にこだわった」という。一例として、VISION EQXXで培った「マルチソースヒートポンプ」を紹介。電動ドライブシステム、バッテリー、外気の3つの熱源を並行して活用。その結果、従来の電気ヒーターと比較して同等の暖房性能を約3分の1の効率で実現している。

 そのほか、電動ドライブユニット、タイヤの転がり抵抗、「ワンボックスブレーキシステム」と呼ぶ回生効率99%以上の回生ブレーキなどがあるが、クルマ全体で見た場合に最も効率性能に響くのが空力性能だと強調した。

 たとえば、乗用車などの国際調和排出ガス・燃費試験法(WLTP)の場合、空力が42%、転がり抵抗が27%、ドライブトレインが17%、そのほかが14%を占めるとの見解だ。

 そこで、CLAでラジエターシャッター、格納式ドアハンドル、AMGラインを含む空力最適化ホイールの採用に加えて、車体下面では前後ホイールスポイラーやサスペンションリンク周囲を覆う4分割式アンダーボディカバーなどを駆使し、空気抵抗を示すCd値0.21を実現した。

画像
ラジエターシャッターや空力最適化ホイールなど、新型CLAの空力技術について説明する電動パワートレインシステム開発担当のアレクサンダー・アスパッパー氏
(筆者撮影)

 なお、説明会で配布されたアスパッバー氏の経歴を示す資料の中で、MMAプラットフォームはCLA、CLAシューティングブレーク、GLBに対応し、SUVのGLCやCクラスなどのミッドサイズ向け次世代EVプラットフォームはMB.EA-Mプラットフォームとなり、同氏は両プラットフォームの技術開発を担当しているとある。

【SDV】ChatGPT・Gemini・Bingを束ねる「新OSの実力」

 3つ目がMB.OS(Mercedes-Benz Operating System)だ。説明したのは、チーフソフトウェアオフィサー・エグゼクティブアシスタントのミヒャエル・ヴォルヴェーバー氏。

 まず強調したのが「チップからクラウドまでをつなぐアーキテクチャであり、メルセデス・ベンツが独自に開発しており拡張性が高いのが特徴」という点だ。ユーザーにとっては、UXやUIの観点で、新型CLAの特徴を直感的に触れることができる領域である。

画像
新型CLAの車内デジタル体験を支えるMB.OSについて説明するチーフソフトウェアオフィサー・エグゼクティブアシスタントのミヒャエル・ヴォルヴェーバー氏
(筆者撮影)

 ドメインとしては大きく4つ。インフォテインメント、ボディ&コントロール、ドライブ&チャージング、そして自動運転を連携して制御する仕組みだ。

 ユーザーが車内に入って、まず目を引くのは、ダッシュボード全体を覆う「MBUXスーパースクリーン」だ。その中で、ChatGPT、Microsoft Bing、Google Geminiを統合してナビゲーション、車両の操作、さらにクルマに限らず一般的な知識に関してもAIを活用できる。これを「マルチエージェントインテリジェンス」と呼ぶ。

 また生成AIの活用では、まるで人と話しているようにMBUXバーチャルアシスタントと自然な会話ができる。アバターには3つの選択肢がある。

 ナビゲーションでは、グーグルの地図データとメルセデス・ベンツ独自のUX/UIを統合制御するハイブリッド型とし、より詳細な渋滞状況や周辺施設の情報が得られる。なお、中国や韓国ではグーグル以外の地図データを用いる。

 こうしてインフォテインメントから安全運転支援機能までシームレスにつなぎ、ユーザーはより便利で自然な車内体験を得られ、さらにOTA(無線ソフトウェアアップデート)によってサービスの継続的な拡張が可能となる。

 ヴォルヴェーバー氏は「新型CLAはまさに、SDVだ」とメルセデス・ベンツ新時代の幕開けを強調した。

 なお、自動運転でのパートナーは米エヌビディア。ワールドプレミアの際に明らかになっているのは、センサーとカメラが合計27個搭載されており、地図上のA地点からB地点まで自動走行するレベル2++(プラスプラス)を、中国を皮切りに米国、欧州で採用する計画だ。日本への導入計画は現時点で明らかにしていない。

 このように新型CLAの技術要件の全般を見てきたが、別の機会に日本での日常的な利用シーンで新型CLAの実力を試してみたいと思う。

新型CLAの「モデルラインアップと価格」

 新型CLAの日本向けラインアップは、セダンとシューティングブレークに、それぞれ2種類のEVを設定する。メーカー希望小売価格は以下の通り(いずれも税込み)。
CLA 200 with EQ Technology:668万円
CLA 250+ with EQ Technology:775万円
CLA 200 Shooting Brake with EQ Technology:691万円
CLA 250+ Shooting Brake with EQ Technology:798万円
 メルセデス・ベンツ日本は2026年7月29日に予約注文の受け付けを開始。なお、クリーンエネルギー自動車導入促進補助金は98万円としている。走行イメージが気になる人は、以下の動画を参照したい。

Googleで見つけやすく

評価する

いいね!でぜひ著者を応援してください

  • 0

会員(無料)になると、いいね!でマイページに保存できます。

共有する

  • 0

  • 0

  • 0

  • 0

  • 0

関連タグ タグをフォローすると最新情報が表示されます
あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

基本情報公開時のサンプル画像
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます

基本情報公開時のサンプル画像