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- 2024/05/17 掲載
日本人が「メルセデス・ベンツ」「BMW」を好む理由、米国・中国産と違う“ある特徴”
日本市場の「人気の輸入車」の傾向
2023年度の輸入車販売台数の結果を見ると、上位5位までをドイツブランドが占め、ベスト10のうち6つもドイツブランドになります。また、3位のフォルクスワーゲンと10位のプジョーを除けば、すべて高価格帯のプレミアムブランドとなっている点も特徴でしょう。ただし、フォルクスワーゲンは大衆ブランドとはいえ、日本で売られている主力モデル「ゴルフ」は、341.1万円からという値付けです。
「ゴルフ」と同クラスの日本車となるトヨタ「カローラスポーツ」の場合、その価格は221万円からです。同じクラスでも120万円以上も高い価格設定となっています。それにも関わらず「ゴルフ」は堅実に販売台数を伸ばしています。つまり、フォルクスワーゲンは、欧州では大衆ブランドとなりますが、日本においてはプレミアムな存在、またはプチ・プレミアムな存在といった位置付けにあるのではないでしょうか。
このように、日本市場においてプレミアムブランドに人気が集まりやすい状況は、日本の特殊性が関係していると考えられます。
日本は世界でも珍しい自動車メーカーが多数ひしめきあう土地であり、狭い国土にトヨタを筆頭に8社も自動車メーカーが存在します。メーカーが多く競争が激しいことから、世界的に見ても日本メーカーの供給するクルマの性能、品質、コストの水準は高いです。
一方、高級ブランドには、大衆車ほど「コスパ」が求められません。求められるのは、ブランド力であり性能です。ユーザーマインドとしても、「コスパを求めるなら日本車。わざわざ輸入車を選ぶのであれば、日本車以上のもの。つまりプレミアムが良い」と考えるのも、当然のことかもしれません。
そうした人気のプレミアムブランドの中でも、特に売れ行き好調なのが、昨年のナンバー1であるメルセデス・ベンツです。ちなみに、BMWは、本家BMWと分家BMWミニに数字が分かれていますが、2つを合わせると、メルセデス・ベンツに肉薄する年間5万台レベルの販売台数となっています。
その後に3万台のフォルクスワーゲン、2万台レベルのアウディが続きます。そう考えると、どちらも年間5万台レベルのメルセデス・ベンツとBMWの2ブランドは、抜きんでた存在と言えるでしょう。 【次ページ】なぜ、日本でメルセデス・ベンツとBMWは人気?
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