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  • 2025/07/28 掲載

中国81%・米国61%でも…生成AI利用「たった26%」…致命的な「日本企業の構造問題」

連載:野口悠紀雄のデジタルイノベーションの本質

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日本企業の社長は生成AIをかなり使っているが、一般社員の利用度は低い。また、教育現場での活用も遅れている。この問題に対して真剣に解決を図らなければ、世界各国の競争力にますます後れをとっていくだろう。こうなる原因には、ITリテラシーなどでは片づけられない日本企業の構造的な問題が挙げられる。
執筆:野口 悠紀雄

野口 悠紀雄

1940年、東京に生まれる。 1963年、東京大学工学部卒業。 1964年、大蔵省入省。 1972年、エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。 一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを歴任。一橋大学名誉教授。
noteアカウント:https://note.com/yukionoguchi
Twitterアカウント:@yukionoguchi10
野口ホームページ:https://www.noguchi.co.jp/

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日本人の生成AI利用率が低すぎるワケ
(Photo/Shutterstock.com)

経営者の利用は「7割超え」も…

 7月14日の本欄で、日本経済新聞が実施した社長アンケートのうち、生成AIの利用に関する結果を紹介した。それによると、経営者の生成AIの利用はかなり進んでおり、「週に1回以上利用している」経営者の割合は全体の7割を超えている。

 これは、生成AIという新技術が経営層の関心を強く惹きつけ、実際の活用もある程度軌道に乗っていることを示している。経営判断の迅速化、戦略立案、文書作成補助といった用途で、生成AIが役立つと感じている経営者が増えているのだろう。

 その一方で、「ほとんどの社員が業務で使っている」と答えた企業の比率は、58.5%にとどまった。このように、経営層と一般社員との間で、生成AIの利用に対するレベルにかい離があると見受けられる。

 これは、企業内における生成AIの浸透度には階層別のギャップが存在していることを意味する。このかい離が解消されなければ、企業全体としての生成AI活用の実効性は限定的なものにとどまるだろう。

 こうした懸念を裏付けるかのように、7月8日に総務省から公表された2025年版『情報通信白書』でも、日本の生成AI利用度の低さが明らかにされた。日本企業の利用率は55.2%だったが、中国、米国、ドイツでは9割を超えた。

 この白書では、個人の生成AI利用経験も比較しているが、「生成AIを使ったことがある」と答えた人の割合は、日本ではわずか26.7%にとどまった。中国では81.2%、米国は68.8%、ドイツは59.2%と、主要国は軒並み高い数値を示しており、日本の低水準ぶりが際立っている。 【次ページ】より深刻な「日本企業の構造問題」とは
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