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  • 2019/08/16 掲載

auフィナンシャルHD勝木社長が主張、未来予見より大切なのは「変わらない価値」

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さまざまな金融サービスがしのぎを削る中、顧客からの支持が伸びる先にこそ、各経済圏の成長があると語るのはauフィナンシャルホールディングス 代表取締役社長 勝木 朋彦氏だ。AIなどのテクノロジーの進化は絶えず注目すべきだが、勝木氏はやみくもに未来を予見せず、変わらない価値の提供にこそ努力すべきだと主張した。

聞き手:編集部 松尾慎司、構成:吉田育代

聞き手:編集部 松尾慎司、構成:吉田育代


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auフィナンシャルホールディングス
代表取締役社長 勝木 朋彦氏

GAFAは競合ではなく、むしろ“協業者”

 GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)といったビッグプレーヤーも、Google Pay、Apple Payといった形でモバイル決済を導入しています。しかし、我々がGAFAに飲み込まれてしまうというような、過度な恐れは持っていません。

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 たとえばApple PayはAppleが全世界のお客さまの銀行口座から毎月いくら引き落とすという仕組みではありません。彼らが行っているのはトークナイゼーションという機能をアップルのアプリケーションで構築して、セキュアにカード各社などに情報を転送するという媒介です。

 そのため、au WALLETもApple Payに対応しています。auのお客さまがApple Payで支払いたいとお店に言うと、お店ではApple Payで引き受けますが、引き落としはau WALLETのクレジットカードであったり、au WALLETのプリベイドの残高から支払うといった仕組みです。

 これはGoogle Payも同様です。今回始めたじぶん銀行のスマホデビッドもGoogle Payに対応していますが、これもGoogle Payのインターフェースで決済するものの、登録している銀行口座からダイレクトに引き落とすという仕組みです。このように組み合わせて使える仕組みなので、GAFAは敵ではなく、むしろ協業者だと認識しています。

photo

複雑化する経済圏の成長はどう測ればいいのか

 では協業と競業が入り乱れ、複雑化する各経済圏の成長をどう測るのか。我々は「お客さま支持」を尺度にしたいと考えています。直截的な数字そのものというよりは、お客さまの支持を集める、支持されるサービスになるということを目指すということです。

 金融決済取扱高の拡大を目指す本当の意味はお客さま支持の増加で、お客さまの支持を得るためにサービスを便利で分かりやすいものにしていきます。そういう風にどんどんドリルダウンしていって、それを実現するために必要ならどのような協業も歓迎するところです。

 たとえば、じぶん銀行でいえば、メルカリのメルペイにチャージできます。もちろん、auとしてはau PAYを使ってほしいところですが、メルカリで頻繁にお買い物されるお客さまにとってはメルペイにお金があるほうが便利で、じぶん銀行に預金を置くのはメルペイにチャージできるからだとしたら、我々はメルペイと提携したほうがいいということになります。

 結果として預金をいただき、利用され、稼働率を上げるという状態を目指すのであれば、お客さまの支持を集める方向で色々なプレーヤーとつながって連携できるようにすればいい。一見すると、コンペティターという構図に映るかもしれませんが、そのような表面的な関係だけではないということです。

 それを、すべてクローズ型(≒垂直型)にすると、お客さまのニーズを見落とすことになります。我々が忘れてはいけないのは、1つひとつのサービスをお客さまにとって一番いいものにし、お客さまファーストでありながら、いつのまにかじぶん銀行も使われているし、au PAYも使われているし、他のサービスも使われているという構造にしていくことではないでしょうか。

 このようにオープンな戦略を取るのは、すべてを自分でやるのが難しいからです。auにメルカリがないのであれば、そういうサービスを支持して使っておられるお客さまにも、引き続きじぶん銀行を使っていただく構造を目指すことが大事だと考えています。

 今の時代、アマゾンも使えば楽天市場も使うというお客さまの割合は相当高くなっています。そのサイトになかったらほかで買うわけです。一つの経済圏でお客さまを囲い込むなどというのは難しく、今は乗り合っていく時代です。

 もちろん、自社のさまざまなサービスのシナジーや、割得感、メリットはしっかり作っていきたいですけどね。それもすべてはお客さまの支持さえ集まれば、おのずと流通額も決済額も上がっていくと私は思っています。

【次ページ】金融のそれぞれの領域に伸びしろがある

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